詩 「ユカリと雨」
外は土砂降りだった。
ユカリは、酒飲みでひどい女だった。
ビールを2本。
ワインを2杯。
それからバーボンにとりかかる。
1杯目のグラス。
2杯目のグラス。
3杯目のグラスを飲み干したところで、俺に言った。
「あんたは、クソ野郎よ!死んじまえ!」
そして、ユカリは部屋を出ていく。
俺はバーボングラスをちびちびやりながら、ベランダから階下を見下ろす。
ユカリが何かに躓き、転んだ。
起き上がり、こっちを見上げて、叫んでいる。
「くそったれ!あんたのせいよ!」
俺は、グラスを高く掲げてそれに応える。
「ありがとうよベイビー!」
雨。
クラクションの音。
ベランダから身を乗り出し、雨の中にグラスを翳す。
グラスの中の小さな波紋。
そしつを口に押し付け
ガソリンのようなものを飲み干し、俺は思った。
ユカリのやつ。
酔っておかしくなるのは、いつも雨の日だな。
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