労働者からの手記 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

労働者からの手記

また、だった。

いきなり数日前になって、休日返上を言い渡された。

しかし、従う以外になかった。


果たして、俺は耐えられるのだろうか?

思ったのはそれだけだった。

不思議と、怒りも憤りもなかった。

もう、どうでもよかった。


毎日、ドロドロになって家に帰り、定量の三倍の鎮痛剤を酒で飲み下す。

三時間後には、バイトに向かう。

その繰り返しで、週に一度の休息日が無くなる事について、考えたくもなかった。

かと言って、誰かに対しての怒りや、不満すらも、今は無かった。


どこかが、壊れてしまっているのかもしれない。


バイトの帰り道。

訳もなく、涙が溢れ出して止まらなくなる事があった。

やはり、怒りも、悲しみの感情すらも無かった。

ただ、涙が流れ落ちるだけだった。



頭の中のものが、膨れ上がって、右目を奥の方から圧迫するような感覚があった。

バックの中を漁った。

鎮痛剤。

残り僅かだった。

俺はそのときだけ、微かな憤りを覚えた。