書くこと
バイトが始まると、俺の娘の母親は満足したのか、ほとんど何も言わなくなった。
心置きなく、勉強に精進できるということなのだろう。
そして俺は、ただの機械になった。
暗いうちに目覚め、バイトに出かけ、家に戻り遅い朝飯を食って仕事に出かける。
夜に帰宅すると、俺は一人で夕飯を食う。
僅かな時間眠り、そしてまたバイト。
ループ。
繰り返し。
つまりはそれだけで、トピックは何もなかった。
今までは、俺の娘の母親に対しての憎しみが俺を駆り立て、キーを叩かせた。
書く事が復讐だった。
今は、その情念も薄れた。
なんでもないことを書いてみても、なにかつまらなかった。
俺は打ちのめされることを、知らず知らずのうちに望んでいたのか。
(他愛のない平穏な日常は、読むほうとしてもつまらないよね?)
書くことは腐るほどあった。
それでも、俺は書くことを失った。
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