サバイバル料理～我流たまねぎサラダ

スーツを着込み、面接へ向かった。

家で汲んでおいたペットボトルの水を飲みながら、口の中に残った微かなたまねぎの味を感じた。

二日前に食ったたまねぎなのに・・・。

二日前。

帰宅すると食い物が何もなかった。

幸い、飯は炊かれている。

おかずを作るしかなさそうだった。

冷蔵庫をのぞくと、肉類はおろか、納豆すらなかった。

仕方なく、たまねぎで何かを作ろうと思った。

何故たまねぎなのかは、ただの思い付きだった。

たまねぎをひとつ取り出し、二つにして、半分だけ刻んだ。

笊にいれて、水にさらしてみる。

なんとなく、そんなことを、どこかで見聞きした記憶があったからだった。

笊から揚げて、器に移し、しょうゆと鰹節をまぶした。

そのまま食おうと思ったが、強烈な苦味を伴った匂いが抜けていないだろうと思って、電子レンジで１分ほど加熱した。

出来上がったものに、さらにマヨネーズを振りかけ、仕上げに七味をまぶした。

１分の加熱では足りなかった。

苦味が抜けきっていないが、それがまたよかった。

歯ざわりも、申し分ない。

俺は、そんな粗末なおかずで、飯を二杯腹に押し込んだ。

それが、いまや一日一食となった俺の食事だった。

しかし。

食った後、口の中にたまねぎの匂いが二日間消えなかった。

読者の皆様、サラダの作り方（たまねぎの処理）ご存知ですか？？