善行~余計なお世話?
上京に際して、鉄道を利用した。
普段は車なので、ひどく新鮮に感じられ、子供のように未知の乗り物を楽しんだ。
席に座っていて、行きと帰りに一度ずつ、老人に席を譲ろうとして、断られた。
一度目は、もう降りますから良いです、と言われた。
二度目は、手を振るしぐ さでよいと言われた。
余計なお世話だったのだろうか?
老人扱いされて、彼らは憤慨したのだろうか?
何故か、少しだけ傷ついている自分に、俺は狼狽した。
そして、自分を振り返った。
何かを勧められて、いいですと、断ることが自分にもある。
それは、多くの場合、連慮からだった。
これからは、人様の善意はありがたく受けることにしよう。
列車に揺られながら、俺は考えていた。