出来れば、消えてしまいたい。
深夜4時。バイトが終わり風呂に浸かった。
体が温まり、いつの間にか、うとうととし始めたとき妻の足音が聞こえてきた。
ドア越しに、辛辣な言葉が並べ立てられ、俺は衝撃とともにそれを無言で聞いていた。
金がない。
それでも私は、日銭を稼ぎになんかいかない。
私をだまし続けたのはあんただ。
だから、あんたがどうなろうと、かまわない。
私は私のこれからの生活だけを考える。
住宅ローンが払えなくても、私には一切関係ないから。
別れを告げられているのだ。
そう思った。
それならそれで良かった。
納得できないのは、そこまで言いながら、今この瞬間も、俺の費えで生活し、それでも俺を侮辱し続けるところだった。
妻は、俺につばを吐きながら、それでも俺と生活をしている。
それは天に向かって唾を吐くのと一緒だ。
どこをどう改善しようとも、こんな心根の妻と上手くやっていくことなど出来はしないだろう。
妻の考えはこうだった。
しかるべき手段を持ってキャリア構築し、自立する。
それが叶えば、別れる。
自己啓発のため、日銭を稼ぎに行く時間などあるわけがないと言っているのだった。
俺との未来など、最初から想定していないのだ。
もう、ごめんだ。
早く終わりにしたい。
娘が起床し、妻との楽しそうな談笑が聞こえてきた。
肺腑が萎縮し痛む。
憔悴。
諦め。
俺はこのまま、消えてしまいたかった。