人の気持ちは大切に
朝から頭痛が酷かった。
出来ることならひと休みしたいところだったが、妻に家具の組み立てを頼まれた。
イレクターである。
棚の間隔がどうのと非常に細かく、それが五月蝿かった。
頭痛のせいか、思わず顔に出そうになる。
組み立て終わり、飯を喰った。
美味いと一言いう。
ただ黙って喰うだけかと以前に言われた事があったからだ。
ほんのひと時、娘と一緒にアニメを見た。
そこに妻がずかずかとやってきて、壁をいじり始めた。
古い壁を剥がそうとする。リフォームである。
嫌な感じだった。
案の定、あんたは何もしないと罵られた。
俺は古壁を剥がし始めた。
すると、今度は埃が酷いから止めろと妻が怒鳴った。
付き合いきれなかった。
俺は片付けが終わると、自室へ逃げ込み、ただじっとしていた。
小説もウエブもご法度である。
しばらくして、また妻が何か怒鳴っている。
俺は妻の前に出た。
「本当に何もしないんだから。くだらない小説ばかり読んで部屋に引き篭って」
またかと思ったが、もう黙っている気はなかった。
「朝から、家具を組み立てたじゃないか。同じ部屋に居れば文句ばかりか」
「あんたは私が言わなければ何もしないからよ。自主的に何もやろうとしないじゃない」
「俺が何かやれば、それが気に入らないんだろ。いや、違うな。俺が目の前にいるだけで気に食わないんだ」
「あんた、何を言っているの。本当に馬鹿じゃないの」
俺は本当に馬鹿なのか。
刹那、思った。
妻は踵を返し、部屋を出て行った。
馬鹿だなんだと隣室から罵りが聞こえてくる。
一人になると、急に頭痛が酷くなってきた。
それから妻は、信じられない行動に出た。
伯母から贈られた絵を額から取り出しそこに、娘の描いた絵を入れた。
「いい額があったわ」
妻が言っている。
俺は居間に入り、伯母の絵を探した。
見当たらない。
まさか。
そう思い、ゴミ箱を覗く。
色紙に描かれた絵があった。
俺はそれを拾って自室の押し入れに仕舞い込んだ。
「近くに居る人の気持ちは大切にしないで、そんなものは大切にする訳」
俺は閉口した。
そして、怒りを通り越し、気付くと笑っていた。
「笑うしかない、か」
呟きも虚しく消えた。
出来ることならひと休みしたいところだったが、妻に家具の組み立てを頼まれた。
イレクターである。
棚の間隔がどうのと非常に細かく、それが五月蝿かった。
頭痛のせいか、思わず顔に出そうになる。
組み立て終わり、飯を喰った。
美味いと一言いう。
ただ黙って喰うだけかと以前に言われた事があったからだ。
ほんのひと時、娘と一緒にアニメを見た。
そこに妻がずかずかとやってきて、壁をいじり始めた。
古い壁を剥がそうとする。リフォームである。
嫌な感じだった。
案の定、あんたは何もしないと罵られた。
俺は古壁を剥がし始めた。
すると、今度は埃が酷いから止めろと妻が怒鳴った。
付き合いきれなかった。
俺は片付けが終わると、自室へ逃げ込み、ただじっとしていた。
小説もウエブもご法度である。
しばらくして、また妻が何か怒鳴っている。
俺は妻の前に出た。
「本当に何もしないんだから。くだらない小説ばかり読んで部屋に引き篭って」
またかと思ったが、もう黙っている気はなかった。
「朝から、家具を組み立てたじゃないか。同じ部屋に居れば文句ばかりか」
「あんたは私が言わなければ何もしないからよ。自主的に何もやろうとしないじゃない」
「俺が何かやれば、それが気に入らないんだろ。いや、違うな。俺が目の前にいるだけで気に食わないんだ」
「あんた、何を言っているの。本当に馬鹿じゃないの」
俺は本当に馬鹿なのか。
刹那、思った。
妻は踵を返し、部屋を出て行った。
馬鹿だなんだと隣室から罵りが聞こえてくる。
一人になると、急に頭痛が酷くなってきた。
それから妻は、信じられない行動に出た。
伯母から贈られた絵を額から取り出しそこに、娘の描いた絵を入れた。
「いい額があったわ」
妻が言っている。
俺は居間に入り、伯母の絵を探した。
見当たらない。
まさか。
そう思い、ゴミ箱を覗く。
色紙に描かれた絵があった。
俺はそれを拾って自室の押し入れに仕舞い込んだ。
「近くに居る人の気持ちは大切にしないで、そんなものは大切にする訳」
俺は閉口した。
そして、怒りを通り越し、気付くと笑っていた。
「笑うしかない、か」
呟きも虚しく消えた。