草いきれ | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

草いきれ

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布団をひき終わり、二階の窓から外を眺めた。

既に日は落ち、夜空にかわろうとしている。

風が心地よかった。

眺めは悪いが、風だけはよく通った。

俺はこの場所が好きだった。

妻子の寝室。

こうして布団をひいたりしない限り、ここには立ち入らないのだった。

風が頬を打つ。

眼を綴じると、少しだけ草の匂いがした。