お湯を注ぎ込み、待つ間、本を開いた。
数行読み進めただけで、不意に涙が込み上げてきた。
泣くような場面ではなかった。
心が踊る。そんな描写なのだった。
ひとりだった。
家でカップラーメンなどを喰う事など、ほとんどない。
今朝、何も言わずに妻が家を出た。
俺は、声もかけなかった。
ただ腹が減り、カップラーメンが喰いたくなった。
一緒に買ってきた、発泡酒を一気に飲んだ。
これが、寂しさなのか。
それとも、心の貧しさなのか。
一人になりたいと思いながら、いざ一人になり、何をするでもなく、孤独に浸る。
それでも、心を鎮める貴重な時間だった。