いい加減にしてくれ | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

いい加減にしてくれ

これだけ罵られながらも、俺は妻のために車を運転する。

妻と、話などしたくはなかった。

外出し、一通り用事を済ませ、帰路につく。

妻が、どこかで食事をしようと、娘に言っていた。


途中、ガソリンスタンドへ寄った。

セルフスタンドなので、自分で入れる。

妻から、金を渡された。

何故か千円札一枚と、数枚の硬貨だった。

キャッシャーのメニューには、千円単位のメニューしかなかった。

硬貨まで入れたが、結局千円分しか給油することが出来なかった。


妻にレシートと硬貨を渡した。

妻はそのまま憮然として車を降り、キャッシャーへ向かった。

硬貨を入れ、給油を始める。

どうやら、満タンメニューでそんな半端な給油が出来るようだった。

そんな裏技を、俺は知らなかった。

いつも、千円単位で入れているのだ。

満タンとは文字通り満タンで、多めに金を入れて、残り分のお釣りを受け取ると思い込んでいたのだった。

ひょっとして、妻はこうなることをわかっていたのではないか。

俺を罵る材料を探していたのではないか。



案の定、妻は不機嫌になった。

「疲れた。もう帰って寝よう」

娘に言っている。

俺のせいで、外食は無しだと娘に言っているのだった。


のどが渇いたと訴える娘に対して、何度も、何度も。


そして、誰に対するわけでもなく、疲れたと呟き続ける。


俺は偏頭痛に耐え続けた。

風邪なのか。


それとも、何か別の理由なのか。




家に着いても、それは続いた。

食事が出される。

また罵しられる。


さすがに、頭に来た。


俺は食器を持ち、妻と娘から離れテーブルに移り一人、食った。




いい加減にしてくれ。




心の中でそう呟きながら、妻の狙いはいったい何なのだろうと、また別のことを考えていた。