悪夢、ふたたび
悪夢で目覚めた。
恐怖で身が縮んだが、どんな内容かはよく思い出せなかった。
カーテンから、緑色の灯りが透けている。
闇に目が慣れたせいか、やけに明るく感じた。
悪夢は、ただ悪夢だった。
じっとしていると、恐怖はすぐに薄れていく。
目を閉じた。
そのとたんに、恐怖が全身を貫いた。
何かが、俺の手首を掴んでいる。
肌が粟立つ。
その方向に視線を向けた。
そこには、髪の長い子供のようなものが立っていた。
しかしそれは、子供などではなかった。
髪から覗いたわずかな部分の肌は、ケロイド状なっていて、血が滲んでいる。
叫び声を上げていた。
声にはならなかった。
う、う、という呻きが漏れるだけだ。
それでも、叫び続けた。
呻きが徐々に大きくなってきた。
これなら、妻たちのいる寝室に声が届くかもしれないと思った。
渾身の力で叫んだ。
あ、あ、あ、という呻きがはっきりと口から溢れ出したとき、ふたたび悪夢から目覚めた。
目覚めた光景は、夢の中で観たものと同じだった。
薄いカーテンから、外の明かりが透けている。
夢から目覚めると、それもまた夢だった。
そんな夢を、時々観た。
安っぽい、ホラー映画の様だと、いつも思ったものだ。
夢が、脳が描き出した幻想だとすれば、何故こんな夢を見るのか、そちらの方が問題だった。
少なくとも、俺の頭の中に、それは存在するのだから。