ウインナー、そして | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

ウインナー、そして

「昨日はご苦労様でした。どうせ、すぐにやらなくなるのだから、ゆっくりやってちょうだい」

そう言って、娘を預けるため出掛けていった。

皮肉のこもった言葉を聞いても、何も感じなかった。


俺は、そのまま庭に出て草取りを始めた。

少しずつ気温が上がり始めていた。

朝なので、それほど暑さは感じなくてすむ。

今日で、2日目だった。

しばらく作業に熱中した。

毎日やって、どれくらいかかるだろうか。

庭をひと回りするころには、最初に草を刈ったところからは、新しい草が生え始めていることだろう。

何故、早朝に草刈などを始めてしまったのか。

しばし考えたが、ただの気まぐれなのだと思うことにした。



汗が滲み出してきたところで、作業を止めた。

昼食用の弁当を作ろうと思った。

あんたのために、ご飯など作る気がしない。

数日前、妻に言われたことを思い出した。



しばらくの間、弁当など作ることが無かった。

昼食は、100円で買えるカップラーメンで済ませてしまっていた。

コップに水を注いで、氷をいれて一気に飲んだ。

冷蔵庫の中を覗いて何を弁当箱に詰め込むか考えていた。



妻からメールが来た。


「無駄なお金使わないようにウインナーとシュウマイお弁当に持っていきなよ」

俺は、ウインナーとシュウマイを冷蔵庫から取り出していた。

曇っているのに暑くなるぞ。今日も。

フライパンを炙りながら、呟いていた。