一人でねんこ
PCモニターの、右下にある時計に目をやった。
午前3時をまわっている。
眠れない。
いつものように、娘を寝かしつけているうちに眠ってしまったようだ。
3時間くらいは寝たのか。
午前0時に妻が部屋に入ってくることで、起こされたのだった。
自室に戻り、ぼんやりとしていた。
ふと、娘が二日前に言った事を思い出した。
「おとうちゃん、おかあちゃんといっしょにねんこしないの」
娘の唐突な質問に、妻はしばし沈黙した。
そして、こう言って笑ったのだった。
「おとうちゃんは、一人でねんこするんだよ」
PCの電源を落とし、布団へ潜り込んだ。
目を閉じると、紫色の残像のようなものがちらついていた。
やはり、眠れなかった。
もう一度、PCの電源を入れた。
ぼんやりとした意識のまま、キーを叩く。
得体のしれないものが、込み上げてきた。
俺は、腹の底に溜まった、どす黒いものを感じずにはいられなかった。