娘、風呂場にて | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

娘、風呂場にて

娘と、夕食を摂った。


手で米を掴み、口へ運んでいる。

スプーンなど使わない。

だいたいは手掴みだ。

それでも喰えばましな方で、いつも牛乳を欲しがり、際限なく飲んでしまう。

当然、飯など喰えるはずもなかった。

そして、夜中に吐いたりすることもあった。

食事を終えて、ママと泣き叫ぶ娘を抱き抱え、風呂に入った。

しばらく放っておくと、泣くのを止め、一人で遊び始める。

娘は、おもちゃでお湯を掬い上げ、別の容器に入れていた。

アイスクリーム。

コーヒー。

そんなものを俺に作ってくれた。

「おとうちゃんの、マクドナルド。コーヒーどーぞ」

そう言って、カップを差し出して来た。

何故、俺のマクドナルドなのだろうか。

首を傾げたくなる。

娘と出掛けるときは、いつも妻もいて、マクドナルドなどではあまり食事をしないのである。

「なんで、おとうちゃんのマクドナルドなんですか」

そう訪ねても、娘は俺を無視し、また何かを作っているのだった。

「はい、どうぞ」


そう言って、カップが俺の口に押し付けられた。

これは何か、娘の説明は、なかった。