俺がまだ、自由を謳歌していた頃。
涼しげなそれを手に取り、思わず買ってしまった。
ジャケ買いである。
ポラロイド写真に見立てた、歌詞カードが何枚も入っている。
ボーカルと思しき女性の、足元が写った写真。
風鈴。
駅のホームで佇む女性。
5曲しか収録されていないそれを聴いた。
水の流れる音。
下駄の音。
波の音。
雷鳴。
効果音が挿入されていて、ジャケットと同様涼しげだ。
好きな女の子にも、声をかけることが出来ずに、身を捩っていたあの夏。
恋とは甘く、すばらしいものだ。
そう信じていた、ガキの頃を思い出していた。
Jungie Smile 夏色シネマ