話さない、訳 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

話さない、訳

「何でいつも、そう驚いた声上げる訳。こっちが驚くじゃない」

娘が味噌汁をこぼし、思わずあっ、と声を上げたのだった。

話しに、ならない。

俺が声を発すると、大体はこうだった。

黙っていた方がいい。

いじめられっ子の心理だった。

相手を刺激しないように、いつも下を向き、ひたすら何事もないことを祈る。

顔を見るだけでも、むかつくなどと言うからだ。

皿を洗い、風呂を沸かす。

その間、テレビを観ようと思い、スイッチを入れた。

「テレビなんか観ないでよね」


すかさず言葉を浴びせられた。

俺はリモコンを、テーブルに叩きつけた。

今日は、自由な時間すら与えられないのか。


朝から酷いものだった。







続きは、明日更新します。