監獄
何度誘われても、行けない。
友人の誘い。
最初は、飲み屋。
次は、飯屋。
そして、自宅。
それでも、俺は、行けない。
私は友達から誘われても、断ってるから。
以前、妻が一言そういった。
雨が降っていた。
路面が濡れ、そこに街の灯かりが滲んでみえる。
車の灯かりはなぜか、吸収されてしまう。
どこまでが道か、よくわからなくなる。
気付いたら、車線をオーバーしていたりするのだった。
一人、本を読む。
ブログを書く。
内へ内へ。
気持ちがそうなってしまう。
常に、己の心と向き合うような毎日だ。
時々、こんな日々がどうしようもなく窮屈に思えるときがある。
監獄、か。
呟いていた。
潮流の真ん中にポツリとある、脱出不可能の刑務所。
それでも、映画の中では脱獄に成功するのであった。
俺は、アクセルを踏みつけた。
自分が今、どこを走っているかよくわからない。
それでも、突っ走りたい衝動に駆られた。