タイトルのとおり、6月9日に神戸市の対応状況をまとめさせて頂きました
その中で、最前線にあたる神戸市の児童相談所(こども家庭センター)の状況を視察しに行くとしておりました、今日はその報告をいたします。
(正面玄関にて)
神戸市中央区東川崎町(ハーバーランド)にある「こども家庭センター」へ視察
まず、施設内の設備等の様子を見学させて頂き
その後、現在の運営状況や現場が認識している問題点などについて聞き取りを行った。
施設の様子
廊下
建物は鉄筋コンクリート製、かなり古いためこのような造りになっている
全体的に綺麗に掃除されてはいるが、古さからくる汚れはある
(洗濯室前、東灘区選出の上畠のりひろ議員と説明を聞く)
食堂大広間
食事および昼間集団での居場所であったりする
こどもたちが風呂上りなどに団らんする場所としても使われている
運動場
通常の学校と比べるのは適切ではないかもしれないが、大きめの幼稚園のグラウンドくらいの広さに限られている。2歳から中学生までを預かるため、未就学児むけの遊具などもある
向こうに見えている建物が学習棟で
小学生や中学生は昼間はここで勉強しているが、学年ごとに教師をつけるのは困難なので、中学生と小学生をそれぞれまとめて、教員OBなどが勉強を教えていた
トイレ
ここも古いので仕方がないが、かなり傷んでいる
掃除はしっかりされていて綺麗ではある
古いもんであるため、男女共用になっている
風呂
風呂も、男女共用
洗い場が5か所であるため、5人ずつ入浴時間をとるという
夕食の19時までに、交代で入っていくため、かなりタイトなスケジュールになる
こちらも構造は古いが綺麗に使われている
小学生以下の寝室
寝室といっても集団用で、定員は10名
こちらは中学生用の寝室
2段ベッドになっていて、この空間のみが個別スペースである
アセスメントルーム
虐待とは別の話になるが、行動に問題がある子が入る個室である
ただ、上記の寝室が満室の場合は、ここで寝てもらう事もあるという
虐待されて保護されたこどもが、このような寂しい部屋に入るのは不適切だろう
施設の概要としては
築30年
最大定員50名(中学生男子10+女子10+小学生男子10+女子10+未就学児10)
職員は、一般職員 社会福祉や教育・心理分野専攻の職員 保育士など約40名で構成されるが、慢性的に人員不足であるという。
施設の老朽化もあるため、平成33年の秋ごろに移設計画があるが、デザインなどについては現在検討がなされているところである。
全体的に、集団処遇を考えてデザインされたつくりであるが、近年は個を重視する社会へと変遷してきているため、例えば、パーソナルスペースの整備などは新たな課題である。
また、トイレや風呂の男女別々での整備や、グラウンドが狭いこと
雨天の場合などに、室内で運動ができるように室内運動場の整備なども必要だろう
そして、未就学児についても、現在、床でもカーペット敷でもない大部屋が居場所になっているが、保育所のようなイメージの、温かみのある空間を居室として整備するべきであろう。
ともかく、虐待を受けて保護しているこどもが、施設の居心地の悪さのために、「帰りたい」という事になってしまっては本末転倒である。
「居心地を良くする」というとこれもまた違う気もするが、悪いより良いほうがこどものためには好ましい。
定員については、満員であるため受け入れが出来なかったという事はないという事であったが、部屋ごとの定員が一杯で、上記のアセスメントルームに一時預かるという事はあるため、ある意味では、定員オーバーになっている時期が発生してしまっている。
寝室ごとの定員については、10名*5部屋で50名(中学生男子10+女子10+小学生男子10+女子10+未就学児10)というそれぞれのキャップを解除できるような体制づくりができることが望ましい。
職員体制についても、充実が必要だろう
養護施設の基準を基礎とするため、どの都市の児童相談所も厳しい状況であるという話で、一時保護施設独自の人員基準が必要であるという事を、一時保護施設横の連携組織で国に訴えているという。
今後は、現場の声を聴き、人員配置を増加させる事が必要だ。
上記の事項については、神戸市こども家庭局本体とも話し、要望として伝えている。
もともと認識していた事項もあるだろうが、これらについてはしっかりと対応したいという回答を得ているため、新施設での前進に期待する。
政府も、6月15日に閣議決定を行い、児童相談所の人員増などを含めた虐待防止の緊急対策をまとめるとしている。
各自治体の取り組みも必要だが、国レベルの予算措置が望ましいと考えられるため、緊急対策に期待したい。
神戸市会議員
五島だいすけ