三菱重工の国産ジェット機MRJが初飛行に成功

 

 

 

国産60年ぶりのジェット機に国内産業の期待がかかる

さて地元神戸からも応援したいところであるが、神戸空港から見るとどうだろうか

神戸空港は一日30便という規制がかけられている

MRJにゆくゆくは神戸空港から搭乗したいと思うが、これは難しい

30便という規制のため、座席数がネックとなる

MRJは92席、ボーイング787は200席強

92席でも1便、200席超えでも1便であるため

MRJを飛ばすことは、神戸空港としての旅客数を大きく減らしてしまう事になるためだ

2006年の開港依頼続くこの30便規制という呪いを打破しなければならない

もしくはB-787であれば30便なので、席数換算で、MRJなら60便少し飛ばせるなど、そういう見方はできないものか?と思う。

地方と地方をつなぐために比較的小型にデザインされたこの機体を、地方空港と呼ばれている神戸が、存分に使えない事の矛盾に苛立ちを覚える。

 


地方と地方を結ぶはずなのだが・・・

 


この規制については、また論じるとして


このMRJが初飛行した11月11日に、

US-2という飛行艇=辛坊治郎を救出した事でも有名な自衛隊機

を製作している、新明和工業の甲南工場(神戸市東灘区)へ視察に行ってきた。

 

 

 

神戸の新産業として、航空宇宙サプライチェーン構築構想を持つ神戸の行方を考えるという目的も持ちながら

新明和工業は戦前から神戸で操業している会社であり、あの有名な紫電改などを製造していたことで有名である。

戦後は、その技術を他の分野に転用し、特装車の生産で国内シェアトップの企業である。

そんな企業の主要工場が神戸にあるだけで鼻が高い。

新明和工業は、他にもボーイング787の主要構造である主翼のフレームなども生産しており、3万社以上あるボーイング協力企業の中、主要構造部門コンテストで2年連続1位をとったほどの高い技術と信頼を確立した企業である。

飛行機の部品数は協力会社の数から分かるように、べらぼうに多いものだが、その安全管理もまた徹底的に行われている。

例えば、接合部品であるリベット一つをとっても、どこでいつ生産され、どこでいつ誰が作業したのかまで、全てが記録管理されている。
何か不具合があれば、原因を明確にし、
部品が原因であれば、同工場で造られたものであれば全てをチェックし直すことが出来る。
また、人が原因であれば、その人が作業したものは全てトレースし、チェックされるという徹底ぶりだ。
そういったトレースが可能な記録管理が徹底できていることも、協力会社の条件である。

また、原則としてJISQ9100(取得審査に100万以上かかる)を取得している企業が協力会社として認められる条件である。
取得がなければ、詳細な評価をボーイングが行い、それに耐えられるかどうかが可否のキーとなる。

このように、製造するものの品質はもちろん、資格も必要であり、管理面においても手数を必要とするのが、航空機産業のサプライチェーンへの参入要件である。

その上で、発注があるかどうかは、当然ながら飛行機の生産量によるため、チェーンに入ったからと言って、利益が保証されるという訳ではない。

売り上げとなる部品の単価は相当高価なものであるが、仕入れ部品も効果なものであるし、ボーイングが指定する協力会社からの仕入れとなるため、勝手に原価カットが出来る訳ではない。

これほどの壁を乗り越えて初めて、航空機産業の部品メーカーとなれる訳であるので、現状サプライチェーンの外にいる企業にとっては、これだけのパワーを使う決心をする事を躊躇するだろう。
川上企業からの、安定的な発注が約束されるなどの条件がなければ、なかなか入っていくような事はないだろう。


さて、神戸市では、上述のように航空宇宙サプライチェーン構築構想を2015年度に予算化し、実際に動いている。

具体的には、20社の市内企業にJISQ9100取得のための費用を補助し、合同セミナーなどを開くことで、川上起業にアピールしており、うち1社が試作の発注を受けたという。また、20社のうちの19社がJISQ9100を取得した。

参入障壁が極度に高い事を新明和工業でお聞きしたため、どれだけの事が出来るのだろうか?と心配したが、まず一歩目は着実に踏み出していると言える。

JISQ9100取得により、企業の信頼性が高まり、航空宇宙とは無関係な引き合いも来ているという。

始めの一歩を踏み出した神戸のこの中小企業群、これからサプライチェーンと呼べるまでに成長できるかどうか、成長させる事ができるかどうかは、今後の官民一体となった活動次第であると言える。
造船業が縮小し、寂しくなってしまった和田岬一帯を蘇らせるためのこの施策である。
神戸市だけでなく、周辺企業群も、地域の復活は目指すところ同じであると信じている。
次の一歩を踏み出すために何が必要なのかをしっかりウォッチし、一市議としても、応援をしていきたいと思う。

神戸市会議員
五島だいすけ

 

 

 


US-2
工場内に実際の機体もあったのだが、撮影禁止のため、模型の写真をお見せします。

 

 

 


新明和工業宝塚工場、ボーイング主要構造部門2年連続トップ賞をとった記念の巨大ポスター前にて
西区選出の山下てんせい議員
北区選出の人見誠議員と共に
当選同期という事で、3人での視察でした