原発が相次いで稼働を停止し、石油火力への依存度は急上昇。電気事業連合会によると、電力大手10社の昨年10月から今年３月までの重油消費量は前年同期比で2.6倍だ。
ガソリン生産分の一部を重油に振り向けた出光興産は「夏に同じことをするのは難しいだろう」と指摘する。ガソリンの８月の需要は冬場よりも２～３割程度多く品不足を招く懸念があるためだ。
原油処理量を増やせば軽油やＡ重油が余剰になるのは必至だ。ＪＸ日鉱日石エネルギーは４～６月の発電用重油を前四半期に比べ13％値上げする方針を決めたが理由は原油価格の上昇分の転嫁。重油の利幅は大きくなく「他の油種の価格が低迷した場合カバーできない」（大手元売り）。
2012/4/26付 日本経済新聞 朝刊
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