心が震える芸術に。
今日は良き日です

今日は、グルメおじさまと、文化を嗜む日。
トリノ王立劇団の椿姫を見に東京文化会館へ。
主役のヴィオレッタを演じるナタリー デセイはいまやスター歌手。
歌声を楽しみに劇場へ。
どちらかというと、衣装や装置など演出のこだわりをみるのが楽しみ。
なのでオペラも派手な演出モノがすきなんだけど、
今回はパンフレットを見る限り、かなり簡素な舞台装置で
現代風にアレンジ???
18時30分、開演なので、
会社を定時で終らせ駆けつけた。
焦り過ぎで18時に到着しちゃったけど、賑わっている。
席は中央のベスポジ。
幕が開く前のオーケストラのチューニング音が響く。
この不協和音を耳にすると、これから始まる演目への期待が膨れ上がる、、、
さあ、幕開けです!
聞き慣れた椿姫の序章の曲とともに現れた舞台は、、、
予想どおり、めっちゃシンプル。
灰色のブロックが積まれているだけの何のシーンか皆目わからないセット。
これはやはりハズレか??
不安げな序曲が流れる中、お棺を先頭に喪服の人々とそれを遠くから見守る男性。
おっ、演出が新しいぞ。
これから始まる悲劇を物語っている。
音楽が一変、華やかになったところで、沢山の着飾った人々が。
そして、ヴィオレッタ=椿姫の登場です。
このヴィオレッタ、なんと赤毛!
しかも、下品に男達と戯れる。。
見たことない!こんな椿姫!
でもね。姫とかいって、実際は高級娼婦の設定なんです。
今まで、娼婦の設定とお嬢様のような演出にギャップを感じてた。
だから、この斬新な演出にむしろ納得!
そして、
無機質な舞台に有機物としての演者たちと音楽が合わさり、一気に命が吹き込まれて流れる!
オペラって、ミュージカル以上に演技と歌が分断されてて、それは、芸術として割り切るものだと思ってた。
でもこの舞台は違った。
椿姫役のナタリー・デセイを筆頭に素晴らしい演技と自然に溶け込む歌。
体で演技し、感情たっぷりに歌いあげる歌は私の耳には台詞として自然に聞こえる!
2幕目の田舎暮らしのシーンも普通なら邸宅をセットにするのに、これは先程の灰色のブロックバックの前面に簡易な芝生と一本の木。
田舎の庭??
新しい!!
そして、恋人アルフレッドに駆け寄り、抱き着く椿姫はなんとチノパン??
オペラの世界では考えられない衣装も、この舞台ではむしろ自然!!
オペラ歌手はボリューミィな体格がほとんどの中、ナタリー・デセイの華奢なこと!
仔犬のようにじゃれる姿が幸福感をおおいに表している。
そして、不幸への舵がきられ、、、
この簡素なセットはホントに出演者の演技力が必須になる。
その結果、めちゃめちゃわかりやすく、感情移入ができる舞台に。
椿姫の最期に向かって、私の心も熱くなり、ウルウル、、、
オペラでこんなに感情移入したのは初めて!
素晴らしい舞台でした
パンフレットによると演出家はローラン・ペリ。
今、欧米で人気だそうです。
こういう出会いがあるから、オペラもハマっちゃうのよね。
今後はローラン・ペリ演出オペラは要チェック!
派手な舞台を作るゼッフィレッリという演出家はチェックしてたけど
またみたい舞台が増えるわ。。。
次は9月の椿姫。そう、ゼッフィレッリの演出です。
今回とは対象的に古典派豪華絢爛な舞台!
楽しみ