先日、瀬戸の陶祖祭があり、久しぶりに瀬戸の街をぶらつきました。窯元や若い作家も作品を展示販売しておりますが、大衆は大量生産されるなんちゃって織部のひと山ナンボに集中するのも無理は無いか。

足はぶらぶらと街の繁華街「せと銀座通り商店街」へ。
商店街の入口でふと足を止めさせられたのが、昔懐かしの音楽。いかにも貸店舗で、店内はダンボールに入れられたドーナッツレコードの数々。

今は無きレコード店の様に整理されるわけも無く、大分類程度にまとめられたレコードを片っ端からチェックする。
映画の挿入曲なら西部劇『リオブラボー』の皆殺しの唄、『真昼の決闘』のハイヌーン、『駅馬車』の淋しい草原にはうめないでくれ等などナド。

洋楽ならサイモン&ガーファンクル、カーペンターズ、アースウィンドファイヤー。

歌謡曲だってマッチ、郷ひろみ、ジュリー、堺正章、狩人。

つまりEPレコード全盛時代1970年から1980年代の音楽全般がその貸店舗にギッシリ詰まっており、ストライク世代には小銭を握って物色するしかなかったのでありました。

当然これらの音源はデジタル化され、CDとなって我がウォークマンにも取り込まれている訳ですが、オリジナルの音源を確保したいのが哀しいかな昭和世代の性。

持ち帰った厳選楽曲は野口五郎の「針葉樹」「私鉄沿線」、バンバンの「いちご白書をもう一度」、中村雅俊の「ただおまえがいい」「青春貴族」、布施明の「シクラメンのかほり」の6枚。1枚はおまけで税込み500円。状態は極めて良好。歌詞カードには若干の色あせがある程度。

斧と薪と熾きの日々

レコードプレーヤーにEP盤アダプターをはめ込み、スピードセレクターを45回転にセット。親指をドーナッツの穴に入れ、レコードの縁に手を添えて状態のチェック。若干の埃はあるものの傷、カビは無し。よしよし。30年は経過しているであろうナガオカのベルベットで出来たレコードクリーナーで3回程撫で回し、ターンテーブルへ。更にナガオカのレコード針クリーナーで針をスリスリ。スピーカーのウーファーからは懐かしいボソボソ音が。

これらの一連の儀式の後、ようやくプレーヤーをスタート。パチパチとツィーターからトレースノイズが小さくこぼれだし、そしてやっとこさ、レコード針の小さな振動は100W+100Wのアンプで増幅され、三菱電機の音響機器ブランドDIATONEの3ウェイスピーカーから放出され出した。

A面の「俺たちの旅」。僅か4分程で終了しB面の「ただおまえがいい」。


平成の世、音楽を聴くのにこんな手間なんてあり得ないのかもしれないけど、アナログっていいなぁーとつくづく思う。