外気温が15度を下回ると、ついつい点火してしまう薪ストーブ。炎の揺らめきに見とれ、ついと時間を忘れるひととき。
しかし拙宅は名古屋通勤圏の住宅地。裏手は雑木林がありますが、お隣りさんとは数十メートルの距離。ストーブを焚くにも、やっぱりマナーは必要不可欠となります。
今年の目標は『煙突から臭いを出さない』。
薪の焚かれる匂いをは『香り』と思っているのは当の本人だけで、御近所さんにはやっぱり『くさい』だけ。
この『くさい』を無くすにはある程度の努力が必要な訳で、『そんなの気にしね~、だって俺ん家田舎だもん』と言う従兄弟が非常に羨ましい。
必要不可欠なのが、乾燥約2年、水分を出し切ってカラカラの薪。
『そんなに乾燥させなくても、大丈夫』おっしゃるのは前出の田舎暮らしの方々。
乾燥しきっていないと、燃え出しに時間が掛かり、着火時に水分を含んだ、かなりの煙を排出します。実は今年も『2年物』の熟成燃料は無く、『1年半物』を使っていますが、昨年の『半年物』と全然違います。火付きが良く、水蒸気を含む煙も殆ど出しません。
昨年は、乾燥が不十分で、着火時に水分と樹脂が木目から吹き出し、炉内温度は上がらず、煙と煤を含んだ最悪の排気ガスを煙突から御近所にまき散したのでしょう……。
二次燃焼システムも、高価な触媒も炉内温度が高温になってから活躍するシステム。
水分を含んだ燃料では、不完全燃焼を誘発させ、二次燃焼システムの全く逆の効果が出る様です。
薪の乾燥一つでここまで違うとは、やはり経験しないと分かりません。
ストーブとうまく付き合うには2年に及ぶ薪作りから始まるのをようやく実感した次第。
自分で山に入り、木を倒し、斧で薪を作り、乾燥させる一連の行為がいかに大変であるかを体験してはじめて分かる薪の価値。
節くれ立って割りにくかった薪ほど、どこで倒した木か、どんな割り方をしたかを不思議と思い出します。
市販されている薪一束680円。安いと思う今日この頃。