カサブランカ・ダンディ | ガットハロのブログ’混石’

カサブランカ・ダンディ

 かと言って私はメタラーと呼ばれる人ではない。多分、違う。


 いかなるリズムと旋律に乗っかっていようが、とりあえず、好きだからだ。何が。ざっくりとクランチ、オーバードライブ、ディストーションくらいに分けられる全ての音色が好きだ。だから何の話だ。


 歪んだギターの音が好きなのだ。


 さてこれを言い出すと、ほーら来たきたギターサウンドのなんたるかも解しないチビが来た、と笑われるかも知れない。チビは関係ないだろコノ野郎。


 私の身長などどうでもよいが、ここでいやいや実はクリーンギターだってアコギの音だって好きだなあとか、そもそも歪みと言うのはネェとか軸の違う話を私が語ると知識も怪しいし収拾がつかないのでやめる。いずれにせよそんな壮大な話ではない。


 全く知らない人を話に引きずり込むため一応言っておくと、全体に黒い服を着てエレキギターでうるっさい曲を弾いている人のギターが「歪んだ」音で、街角でフォークギターによる弾き語りをしている人のギターが「歪んでない」音だ。


 すこぶる頭の悪い例の挙げ方で派手にレベルの低さを露呈しながらも続ける。「ひずみ」「ゆがみ」「ドライブ」等いろんな名前で呼ばれるこの歪みギター。この音を私が好きな理由は、


悪い男のカッコよさ


これを感じるからである。口にするとなんだか私ひとりだけカッコ悪いがまあ大体そんな理由だ。


 男の子は悪い男に憧れる。大人になっても。一声でどこぞの一家をマシンガンでナニしてしまえたり、悪魔回路を持ってて脳の血液交換が定期的に必要だったり、触れるもの何でも爆弾に変えた挙句に時間まで吹っ飛ばしてしまうような男に憧れるのだ。んなこたぁない?そんなナヨ男は第三の爆弾に負けて死ね。


 吉影をはじめ悪い男の魅力はさまざまであり、その魅力に近しいのが私にとって歪んだギターの音なのである。よっていろいろなタイプの悪い男を好きなのと同様に、いろいろな歪みサウンドが好きだ。


 ふん潰れたディストーションには噛みつかんばかりの野蛮な咆哮を、ゴリゴリとリフを奏でるオーバードライブに暴力的な拳の強さを、カラっとしたクランチから斜に構えた男の笑い声を感じるのだ。


 整った顔立ちと優雅な物腰で優等生の名をほしいままにする私だが、とか書いていると何故か涙が出てきたが、とにかくそんな私でも、ギターで歪んだ音を出す時はそんな悪くて強くてカッコいい男になれる気がしてうれしいのだ。なんだよう。信じるくらいいいだろう。ぐすん。


 そこで鼻をすすりつつ、私が主に操るディストーションサウンドはどんな「悪い男」だろうと考える。仙水忍(※1)か。ジョージ・スターク(※2)か。えっ、まさかゲイリー・オールドマン(※3)。よし、音を出してみよう。歌えマイギター。


「ボエー」


 じ、ジャイアン!?





※趣味丸出し。
 1)冨樫義博著、幽遊白書より。7人いる。
 2)キング著、ダーク・ハーフより。あまりいいやつではなかった。
 3)リュック・ベッソン監督、レオンより。役名はスタンスフィールド。