日経平均が一時300円を超える下落:識者はこうみる | 5階で働くディーラー達

日経平均が一時300円を超える下落:識者はこうみる

[東京 8日 ロイター] 東京株式市場では、日経平均が急反落。一時300円を超える下げとなった。米金利上昇を背景に米国株が大幅安となったことを受けて、東京市場でも売りが先行し、ほぼ全面安となった。市場参加者のコメントは以下の通り。

 

●米金利上昇を嫌気、景気への信頼感が下支え

 

<新光証券 エクイティストラテジスト 瀬川剛氏>

 米金利上昇が日米株価を圧迫しているが、このところの米景気指標には強いものが多く、米国の金利感がこれまでの利下げ期待から利上げ懸念まで大きく変化したことを考えると、しかたのないところ。ただ、背景にあるのは米国景気への信頼の高まりであり、そう懸念する必要はないだろう。株価の上昇トレンドに変化はない。世界的に株高が進んでいたため利益が乗っていたこともあり、まだ、利食い売りの範囲内だ。


 

日本の金利上昇にしても、益回りを考えると株価の抑制要因にはならない。むしろ、6月は投信設定も多く、安く買いたいファンドマネージャーなど押し目を待つ向きも多いのではないか。

 

●ショックは一過性、金利見極め局面か

 

<三菱UFJ証券 シニア投資ストラテジスト 吉越昭二氏>

 米長期金利が5.1%まで上昇するとさすがに米株には割高感が出てくる。日本株への影響も避けられないのだろう。ニュージーランド、南アなども利上げを発表し世界的なインフレ警戒感が高まっているようだ。米長期金利が5%台を維持するようであれば、政策金利引き上げの思惑も生じかねない。


株価は金利動向を見極めるまで不安定な状態となりそうだが、ショックは一過性とみている。欧州を中心に利上げは最終局面との見方が強まり、株価は徐々に回復に向かうのではないか。日本株については7―8月の利上げを織り込む局面だが、上場企業への現実的なダメージは少ない。利上げできるほど好調な経済であり、今回の下げは上昇へのバネになる。日経平均は下げても1万7500円程度と考えている。

 

●1万7700円は分岐点、日銀の利上げピッチ探る展開

 

<水戸証券 投資情報部チーフストラテジスト 阿部 進氏>

 

日経平均1万7700円はこれまでのボックス圏の上限であり、大きなポイント。国内株式市場がボックス圏に再び帰るのか、それとも上離れるかは、この水準で踏みとどまれるかどうかにかかってる。円安と海外株高という、これまで日本株を支えていた外部環境が逆転しただけに、出遅れということで日本株に注目が集まるのか、それとも日本独自の材料は乏しいということで、海外株とともに売られるのか分岐点だ。


 

金利上昇は海外株式の圧迫要因となる。日本も今後、在庫調整が進む局面で利上げスピードが高まるようだと景気に水を差す。福井俊彦日銀総裁の言葉のなかから、日銀の利上げピッチを探る展開となろう。