練習が終わると俺たちは予定通り作戦会議をしてから宿舎に帰った
作戦会議、と言ってもただジニョンに話を聞いてもらっただけだったが
少し心が軽くなった気がした
ヨンジェを起こさないようにそっと布団に潜り込む。スースーと規則正しい寝息を立てながらヨンジェは寝ていた。やっぱり可愛いな……
俺たちまた元に戻れるのかな?
そんな疑問を抱きながら、俺も眠りについた
いつの間にかまた朝が来ていて、俺は目を覚ました。それと同時にヨンジェも目覚めたようだった
思い切って話しかけようと思って
「おはよう」
と言ってみたけど
ヨンジェはまだ脳が寝ているのか、はたまた無視しているのか、どちらかよく分からないがそれに返事をすることは無かった
それからもあまり大した行動は起こせずに数日を過ごした。JJの本番まであと一日
その日は夜遅くまで練習をして疲れ切っていた
宿舎に帰りシャワーを素早く済まして
またヨンジェの隣に起こさないようにそっと寝ころぶ。今日ぐらいは良いよな?
明日はJJの本番だし、少し充電させてくれ
そう思ってヨンジェの髪を撫でようとしたとき、パシッと腕を掴まれた。
心臓が止まりそうだった
「ヒョン、何でいつも僕が寝てるときに頭を撫でるんですか?」
暗い部屋に視界がだんだん慣れてくる
ヨンジェは泣きそうな顔で俺に問いかけた
「ヨンジェ、俺は……」
答えようとしたときヨンジェは起き上がって
俺の両手を掴んだ
「ねぇ、何で? 何であの時僕にキスしたんですか?」
静かすぎるこの部屋にはヨンジェの声だけが響く
「聞いてくれ」
いつもより少し大きな声で真剣に言った
するとヨンジェは黙って掴んでいた両手を離した
「本当に、ごめん
あの時の俺はおかしかったんだ……」
「謝罪の言葉なんて要らないです。ただ……僕はジェボムヒョンが何であんなことをしたのかが聞きたいんです」
また困り顔でヨンジェは言った
その時、俺は全てを決心した
「お前が……ヨンジェが好きだからだよ」
少しの間 沈黙が俺たちを襲った
「……冗談なんて聞いてません」
やっぱり、そう返して来ると思った
「冗談なんて言える雰囲気じゃないだろ?今」
そう言うと、状況を理解したのかヨンジェは俯いた
「そんなのウソだよ……」
何を考えているのか分からないような様子でヨンジェは呟く
「だから嘘じゃないって」
「僕……」
「分かってるって、俺のこと好きじゃないことぐらい。いつかはきっと諦めるから、それまでは好きでいさせてくれよ」
こう伝えることが一番良い方法だと思った
というよりも、それ以外に伝える方法が見つからなかった、という方が正解だろう
「違う、違うんです……」
そんなに俺が好きなことを否定したいのか?
そこまで俺が嫌いなのかと、気分が落ちる
「僕、おかしいんです」
「何が」
そう問うと自分を落ち着かせるためにか少し息を吸って、ヨンジェはゆっくりと話し始めた
「……ジェボムヒョンは男の人なのにチューされても嫌じゃなかった。いつの間にかヒョンを目で追ってることも増えちゃって。それに、話さなくなってからすごく毎日が退屈で……」
何故かこちらを見らずにヨンジェは話し続ける
「じゃあ何で噛んだ?」
そんな事言われたら期待するからやめろよ
「だっていきなりは驚くじゃないですか……
それに、あの時のジェボムヒョン、少し怖かった」
「…ごめん」
あの時の事を思い出すと今でも自分に嫌気がさす
「ヒョン、僕ヒョンのこと嫌いじゃないみたいです」
「そう」
何だよ、嫌いじゃないって
俺はそれをどう意味に受け取ったらいいのか分からなかった
「僕、あんまりよく分からないけど その…他の人にこれを相談してみたら、それは「好き」っていう事なんだよ、って言われました」
暗がりの中でもわかるぐらいにヨンジェの顔は赤くなっていた
嘘だろ、なんかおかしいぞこの展開
夢でも見てるんじゃないのか
「お前、正気か?」
「こんな雰囲気の中で嘘なんて言いません」
今さっきもあったような会話をもう一度する
「だから僕…多分好きなんです、ヒョンの事」