こんな気まずい雰囲気の中、僕たちはJJとしてステージに立つことになってしまった。いつもだったら喜べるはずなのに今は全く喜べない
「ヒョン、そこ違いますよ」
それに、今日のヒョンはなんだか違う
いつも完璧なヒョンがダンスを間違えまくってる。これは……僕のせい?
「あぁ、ごめん」
ハッとしたように振りをもう一度僕に合わせる。また一通りダンスを通した後、僕は言った
「ヒョン、もうそろそろ宿舎に帰りましょう?まだ練習時間はありますし」
もう夜中の1時を過ぎていたし、このまま練習しても、上手くいかない気がした
「…あぁ」
荷物をまとめながら僕は考えた。きっとこうして僕と二人でいる時も、ヨンジェの事を考えてるんだろうな、と。羨ましいという気持ちは、いつからか嫉妬に変わっていた
「ねぇジェボムヒョン?」
そして その嫉妬は僕の心を侵食して蝕んでいく
「ん、何?」
僕はヒョンの方向へと少しずつ歩み寄る
「……何で、ヨンジェなんですか?」
僕は真っ直ぐにジェボムヒョンを見据えた。聞いても何もならないこと、ホントは分かってる
「またその話?だからあれは…」
「言い訳しないで ちゃんと答えてください」
ヒョンを壁に追いやり、その背後に手を突く。その瞬間にヒョンの目の色が変わった
「何でそんな事言うんだ?お前に俺の気持ちが分かるのか?」
一気に反抗的になった態度。睨みつけるように、挑発するように僕を見つめる。そんな姿さえ愛しいと思う僕は確実に狂ってる
「分かるって言ったら、ヒョンはどうします?」
もう、いい
「もう俺で遊ぶのはやめろ」
「僕、分かりますよ ……ヒョンの気持ち」
全て
「だから…!」
……壊れてしまえ
僕は反論しかけたヒョンの唇を塞いだ。きっと、これが最初で最後のヒョンとのキス。欲を言えば、こんな強引なキスじゃなくて愛を確かめ合うような、そんなキスがしたかった
ヒョンは驚いて目を見開いたままだ。
「……だって、ジェボムヒョンが好きだから」
僕はヒョンの目をまっすぐに見て言った
「本気か?」
「冗談で男とキスなんかしませんよ」
「……」
完全に僕のペースになってる。ただ、「本気か?」の言葉に思ったよりもダメージを受けていた。自分でも何がしたいのか分からない。
でもここまで来てしまったのならば
「ヒョンがヨンジェに告白したら、ヨンジェもこうなりますよ」
悲劇のヒーローを演じ切るのも
悪くないのかもしれない
「どういう意味だよ」
未だに反抗的な態度は変わっていない
「だから、今 男の僕に告白されて、ジェボムヒョンは困ってる…そうですよね?だからヒョンが告白すれば、ヨンジェも今ジェボムヒョンが思ってる気持ちを味わう、って事ですよ」
肯定しないということは、そういう事か。
眉間にしわを寄せ、少し考えたような表情をした後に暗い表情になる。
僕は壁についていた手をゆっくりと下ろした
「ハハ、やっと理解できましたか?」
「ジニョン…」
すると、急に理性を取り戻したのか僕の事を気遣いだすヒョン。そんな中途半端な優しさ、僕には要らない。余計、辛くなる
「僕は、大丈夫ですよ? 全部分かってますから」
ほんとは、大丈夫じゃない。だってフラれたも同然なんだから。今まで必死に隠してきたはずの気持ちを全て言ってしまったのだから
でも、分かってる ヒョンの事なら全部
「さ、もう行きましょうよ …あ~あ、もうこんな時間だ」
キスで一瞬の幸福感を味わった後、すぐに罪悪感が押し寄せた。もう全てが終わってしまったような、そんな気がした。僕は全部気づくのが遅すぎたんだ。失ったモノは大きくて脆かったみたいだ