次の日になり、僕は行動に出た。その日は偶然オフで、みんなは思い思いに自分の好きなことをしていた
「ヨンジェ、一緒にカフェに行かない?」
断られるかとそわそわしていたがヨンジェは快く受け入れてくれた。やっぱりジェボムヒョンと色々あったからか、表情は少し暗いままだ
カフェに着くと僕たちは向かいの席に座り、帽子をとった。少し周りに気づかれている気もしなくもないが、そんなの今はどうでも良かった
「ヨンジェ、何頼む?」
「僕はココアで」
少し笑ってヨンジェは話すが、すぐにまた暗い顔に戻るのだ
「ん、じゃあ僕もそうしよう」
店員を呼び注文を済ませると、僕はヨンジェの様子をうかがった。ヨンジェは僕が話し出すまで黙りこくったままで。ただただ一点を見つめているようだった。きっとその心の中にはジェボムヒョンの存在しかないのだろう
「ヨンジェ」
「あ、はい」
ハッとしたようにヨンジェは顔を上げ、濁りの全くない瞳で僕を見つめた
「最近、ジェボムヒョンと何かあった?」
ごめんね、ヨンジェ。ほんとは全部知ってるけど、僕にはこんなやり方しかできなかったんだ
「あの、えっと……」
話しだそうとしたところで店員がココアを持ってきた。少しタイミングが悪い
「何?」
話を続けようと、また質問をした。ヨンジェ多分あの夜の事を話そうか話すまいか迷っているのだろう
「大丈夫、僕は何も言わないから」
そう言うと、ヨンジェは少し安心したように肩の力を抜くと、ココアを少し飲んで話し出した
「えっと実は……あの、引かないでくださいね。僕、この前……あの……ジェボムヒョンに……えっと……なんか分からないけど……チューされて……あの、いや、なんか……その時のヒョン怖くて……」
文章にさえなっていない言葉を並べ、ヨンジェは度々詰まりながら話した。それでも、頑張って伝えようとしてくれていることがひしひしと伝わってくる
「その日から、なんかおかしくなっちゃって……」
そりゃあ、おかしくなるに決まってる
「それはそうだよね」
「いえ、多分ジニョンヒョンが思ってるおかしいと、僕のおかしいは違います」
ヨンジェは手に取っていたココアをテーブルに置き、伏し目がちに言った
「僕、ずっとジェボムヒョンみたいになりたいって憧れてました。いつもヒョンの背中ばかり追いかけて、ヒョンみたいになりたいって。でも何だかいつからかヒョンを見ると胸がモヤモヤするようになって。普通、男の人にチューなんかされたら嫌だって思うはずなのに。ジェボムヒョンのチューは嫌じゃなかった」
ヨンジェ、それはきっと
「なんででしょう?こんな事言うなんておかしいですよね」
少し自嘲気味にはははと笑うヨンジェ。
ううん、それはおかしい事なんかじゃないよ
「全然おかしい事なんかじゃないよ」
「へ?」
ヨンジェは少し小さな目を見開いてこちらを見つめた