宿舎に帰り、ヒョンがシャワーを浴びた後、僕もシャワーを浴びようとバスルームに向かった。
バスルームには少し熱気がまだ残っていて、ヒョンがここにいたことを実感させられる。それですら、僕は耐えきれなくて、換気扇を回してシャワーを浴びることを後回しにした。
自分の部屋に行きベットに座ってそのまま倒れこむ。いつもだったら汚いからと言って、お風呂に入る前にベットに寝転ぶことは無いのに。今はそんなのどうでも良かった
今日言われた言葉を一つ一つ思い出しては後悔した。あんな事を言わなければ、あの時こうしていれば、と。どうしてもヒョンを前にすると、歯止めが利かなくなる。自分のものにならないなら壊してしまえと、僕の中にいる悪魔が言うんだ。
……ヒョンに嫌われた。
まぁ、そんなこと分かりきってるけど。自分が男で、男にキスされて喜ぶ人間なんて到底いないだろう。今まで積み上げてきた関係は思ったよりも脆く、すぐに崩れたみたいだった
それからの事、ヒョンが朝早くにリビングに来ることは無くなっていった。それに、ジェボムヒョンはヨンジェを避けている。やたらマークヒョンに話しかけまくっていて、マークヒョンも困り顔だ
他のメンバーたちが出掛け、僕と二人きりになった時マークヒョンは言った
「ねー、最近のジェボムどうなの?なんか変じゃない?やたら俺に話しかけてくるし」
マークヒョンはよく周りを見ているな、と感心させられる。
ジェボムヒョンをそうさせたのは僕だけど
「はは、ほんとどうしたんでしょうね、ジェボムヒョン」
いつもの笑顔、いつもの声のトーン、いつものテンション、こうやって誤魔化す自分が一番嫌いだ
「な。」
そう言い、マークヒョンは
みんなが出て行った玄関を見つめていた視線をこちらに向けた。目が合い、僕が首をかしげるとヒョンはふふっと笑い、また少し僕の髪を撫でた
「マークヒョン?」
何故か僕の行動すべてを見透かされているようで、ジェボムヒョンがそうなったのも僕が関係してるって分かっているようで
「ジニョンの髪って、思ったよりもサラサラなんだね」
僕の髪の毛を一束持っては落とし、持っては落としを繰り返すヒョン
「そう……ですかね?」
「うん」
ニコリと微笑むとマークヒョンは僕の背中をトントンと叩き、自分の部屋へと戻って行った
やっぱり、マークヒョンは掴めなくて不思議な人だと思った。