本文



我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたな(拙)き者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし


通解



私(日蓮大聖人)と私の弟子は、多くの難があろうとも、疑う心を起こさなければ、自然に仏界にいたるだろう。諸天の加護がないからと疑ってはならない。現世が安穏でないことを嘆いてはならない。これらのことは、私の弟子に対して、朝夕教えてきたことであります。けれども、私が佐渡流罪になったことによって、私の弟子たちが、皆、疑いを起こして、法華経(御本尊)への信仰を捨ててしまいました。低劣な人間の習性は、約束したことを、大事な時に忘れてしまうものであります。