本文


仏になる道は必ず身命をすつるほどの事ありてこそ仏にはなり候らめと・をしはからる、既に経文のごとく悪口・罵詈・刀杖・瓦礫・数数見擯出と説かれてかかるめに値い候こそ法華経を読むにて候らめと、いよいよ信心もおこり後生もたのもしく候、死して候はば必ず各各をも、たすけたてまつるべし


通解


仏になる道には必ず命を捨てるほどのことがあってはじめて仏にもなれると思われます。すでに経文に説かれている悪口罵詈(悪口をいわれ、ののしられること)刀杖瓦礫(刀、杖、瓦、小石による難)、数数見擯出(しばしば住む所を追われること=(二度の流罪等の難)等の難にあってきたことは、まさに法華経を身読したことになると、ますます信心もおごり、後生もたのもしく思われます。死んでいったとしても、かならず一人一人の弟子、檀那を助けてさしあげましょう。