色とりどりの花が
咲き乱れるあの園で
駆けまわるあの子が
憧れだった
少しでもあの子に近づきたくて
胸に燦然と佇む
コサージュを真似たりして
そんな私でも あの子は優しく
二人だけの秘密を交わしたり
夢とお星さまを数えた
これを好きと呼ぶのなら
してはいけないことなどないと
重ね合わせた蕾
私の世界はあの子だけのものだった
お屋敷に遊びに行った時
見知らぬお兄さまとあの子は
愉しそうに語り合っていた
私の心は静かに焼け焦げて
お呼ばれしたお茶会で
隣に座るお兄さまの紅茶に
そっと小瓶から 一滴
死を垂らしたの
無垢なる残酷を知らぬ
時は深まり
…
…
…
再び出会った時
あの子は白を纏ってた
私には穢れて見えたけど
運命は私を拒んだ
夜毎濡らし続けた
胸の花
どんなに道に迷ったって
捨てずにいたけれど
此処を離れる時
強く 強く握り潰したの
by Pixabay https://pixabay.com/photo-1539085/
***
ごきげんよう、皆様。黒薔薇です。
久しぶりの単発詩!
今回の詩は、葬られぬ永遠の黒薔薇の時と同じS様にリクエストをいただき、
百合(いわゆる女性同士の恋愛)をテーマに書かせていただきました。
百合をどういう方向から書こうか、と悩みましたが…
途中これは百合か?と思いつつ、恋愛要素を含む文を入れたり。
前回のリクエスト同様、えげつないほど修正を入れました。(笑)
が、1週間も経たずに完成することができました。
美しく、切なく、恐ろしく。
私の得意要素(?)三拍子入れましたが、参考にしたものがあってね。
初めて言うけど、私久保田早紀さん(現:久米小百合さん)が大好きで。
その中でナルシスという曲があって、まず関係性はそれを参考に。
そして最後の一文ですが、ある日ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」に衝撃を受け、
このたびイメージとして最後のようになったのです。
写真も思ったよりすぐ決まりました。
秘密の花園っぽくて好きです。
まさにこの写真のような庭で、二人は遊んでいるのでしょう。永遠に。
最後に。S様、二度目のリクエストありがとうございました!
夢現遊園地~Silver's wonder landから「春宵の桜は天を仰ぐ」