Lily Garden

色とりどりの花が
咲き乱れるあの園で
駆けまわるあの子が
憧れだった


少しでもあの子に近づきたくて
胸に燦然と佇む
コサージュを真似たりして


そんな私でも あの子は優しく
二人だけの秘密を交わしたり
夢とお星さまを数えた
これを好きと呼ぶのなら
してはいけないことなどないと
重ね合わせた蕾


私の世界はあの子だけのものだった


お屋敷に遊びに行った時
見知らぬお兄さまとあの子は
愉しそうに語り合っていた
私の心は静かに焼け焦げて


お呼ばれしたお茶会で
隣に座るお兄さまの紅茶に
そっと小瓶から 一滴
死を垂らしたの


無垢なる残酷を知らぬ
時は深まり









再び出会った時
あの子は白を纏ってた
私には穢れて見えたけど
運命は私を拒んだ


夜毎濡らし続けた
胸の花
どんなに道に迷ったって
捨てずにいたけれど


此処を離れる時
強く 強く握り潰したの
















***


ごきげんよう、皆様。黒薔薇です。
久しぶりの単発詩!

今回の詩は、葬られぬ永遠の黒薔薇の時と同じS様にリクエストをいただき、
百合(いわゆる女性同士の恋愛)をテーマに書かせていただきました。


百合をどういう方向から書こうか、と悩みましたが…
途中これは百合か?と思いつつ、恋愛要素を含む文を入れたり。

前回のリクエスト同様、えげつないほど修正を入れました。(笑)


が、1週間も経たずに完成することができました。




美しく、切なく、恐ろしく。
私の得意要素(?)三拍子入れましたが、参考にしたものがあってね。

初めて言うけど、私久保田早紀さん(現:久米小百合さん)が大好きで。
その中でナルシスという曲があって、まず関係性はそれを参考に。


そして最後の一文ですが、ある日ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」に衝撃を受け、
このたびイメージとして最後のようになったのです。



写真も思ったよりすぐ決まりました。
秘密の花園っぽくて好きです。

まさにこの写真のような庭で、二人は遊んでいるのでしょう。永遠に。





最後に。S様、二度目のリクエストありがとうございました!





*本日の詩*


夢現遊園地~Silver's wonder landから「春宵の桜は天を仰ぐ」