
繁華街の喧騒から逃れるように入り組んだ路地裏。そこにアメリアの工房「リード・リペア」は静かに佇んでいました。磨き抜かれた真鍮の道具が鈍い光を放ち、微かなオイルの香りと薪ストーブの柔らかな熱気が、張り詰めていたエドモンドの心を解きほぐしていきます。
アメリアの鮮やかな手際でエドモンドの手の応急処置が完了すると、彼女は瞳を輝かせて切り出しました。
「あなたの時計塔に、私を連れて行って。その伝説の心臓部を、この目で見学したいの」
「もちろんだ。君のような修復士なら大歓迎だよ」

エドモンドが微笑んで答えると、彼女は「すぐに支度をするわ」と言い残して奥の部屋へ消えました。
ほどなくして現れたアメリアは、機能的な旅装に身を包んでいました。
その肩には、金色の背負っている大きな円筒状の装置は、霧の街での修理作業に欠かせないポータブル蒸気ジェネレーター兼ツールキット。
この装置は 内部で圧縮蒸気を生成し、細かな機巧(カラクリ)を動かすための動力を供給する。
側面から伸びる真鍮のパイプや、上部にある時計のような圧力計は、常に最適な蒸気圧を維持するためにある。
重厚な外観ですが、アメリアが狭い路地裏や高い時計塔へ登る際にも耐えられるよう、軽量化された特殊合金でできている。


その肩には、金色の歯車を回しながら周囲を警戒する機巧うさぎの「クロノ」が誇らしげに乗っています。
「さあ、行きましょう。迎えが来る時間だわ」
アメリアの言葉と同時に、空を裂くような重厚な駆動音が響き渡りました。窓の外、夕焼けに染まる空からゆっくりと姿を現したのは、エドモンドの旧友であるネモ船長が操る空飛ぶ潜航艇「ノーチラス号」。

蒸気と雲を突き抜け、一行は遥かなる空の果て、蒸気の都「ルンドニウム」を目指して翼を広げました。
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