1.外観、質感
2.レンズ及び内部(見える範囲)
3.鏡筒内の漏光、迷光
4.操作性、携帯性
5.見え方(像)
6.星見として
7.子供目線
8.量販店に他のメーカのサンプルと一緒にあったら
1.外観、質感
第一印象、「重い」
双眼鏡を箱から取り出そうと、双眼鏡が入っているケースを持ち上げようとした時、そのケースの大きさとのギャップが大きかったからか、持った瞬間、「重い」と感じました。像を良くするために、大きなレンズやプリズムが使われているためなのでしょう。
見た目の第一印象は「おお、意外に格好良い!?」でした。
量販店でZeiss、Nikon、Kowa、ビクセン、Kenko、色々見てきましたが外観のデザインはどれにも劣っていません。
細かいところを見ると、フォーカス調整ノブなどプラスチックでコストダウン頑張ってるなというところも見受けられますが、遠目で見たらけっこう高級感あります。
ただ、鏡筒の滑り止め用に貼り合わせているラバーが浮いているところがあり、握ると「パカパカ」いいます。
これはしばらくすると剥がれてくるのでは?と心配になります。
ビノフォルダー取り付け部分のキャップ(「ED」のキャップ)は、もう少し高級感あっても良いかもしれませんね。スワロフスキーみたいに、シンボルマークをあしらったりすると高級感増すかもしれません。ちょっとチープ感が残念です。
では、写真で見てみたいと思います。
2.レンズ及び内部(見える範囲)
特記するべきところは、インナーフォーカスリング(レンズ)の外側、鏡筒本体との間になります。
他の部分は艶消し黒色なのですが、この部分だけ艶消しになっていませんでした。
上の写真で黒く溝加工されている部分は、インナーフォーカスリング部分で、フォーカス調整すると前後に移動します。
このリング部分が結構長いです。
ここを短くしてあまり対物レンズ側に来ないようにして、その分遮光板や溝加工した方が良かったんじゃないですかね。
色が艶消し黒ではなく、さらに溝加工がされていないこの部分が、漏光や迷光、斜めからの光の弱さの原因になっている可能性が高いです。
私がダハ式双眼鏡購入のために比較で見てきた同価格帯のNikonのMonarch5でもここまで「黒」では無いところはありませんでした。
しかし、レンズの縁のコバ塗りはしっかりされています。やはりそこは「さすが」としか言えません。
また、レンズのコーティングによる透明感も素晴らしいです。上の写真でも分かるように、レンズ表面の反射はほぼなく、すうっと吸い込まれるように双眼鏡の鏡筒内部を覗き込むことができます。
そして、相変わらずレンズを傾けてのコーティング色が綺麗すぎます。この綺麗さはとろけます。
とりあえず、35000円クラスでこの鏡筒内の壁面色ですと、気になる方たくさんいらっしゃるかもしれませんね。
3.鏡筒内の漏光、迷光
みなさん、これが気になるところかもしれませんね。
漏光は、他の方のブログでも書かれている通り、瞳径近くに盛大に出ていました。しかも、左右別々の場所に出ています。
まず右の鏡筒です。
ほぼ均等に線が出ているように見えます。
変な線は無いので、プリズムの精度やコーティングはさすが高レベルとベテランの方々も評価されると思います。
この章の総括として、鏡筒内の大きな漏光および迷光が原因かは不明ですが、強い光では流石にゴーストは出てくるようです。
4.操作性、携帯性
初めて持った時には重いと感じましたが、実際に観察する持ち方をするとバランスが良くて重さはあまり感じませんでした。このバランスは私的にはとても良いバランスです。
眼幅調整ヒンジは良い硬さがあり、不意に動くことは無く安心できます。
フォーカス調整ノブは動きがスムーズ、人差し指で楽に回せます。そのため鳥の動きに合わせてピントを即座に合わせることができます。これはバードウォッチング使用目的では、かなり良いところです。鳥が動いた時に、さっとピントを合わせられます。
フォーカス調整ノブの位置も、ちょうど良いところにあります。ちょうど人差し指と中指が楽に置ける位置にあります。
首掛け用のストラップは、厚みは良いのですが幅が重量に対して少し狭いと思います。プリンスEDやUFレベルの幅がないと、バードウォッチングの時など長く首にかけている時には痛くなってくると思います。試しに首にかけて歩き回ってみましたが、30分ほどで痛くなってきました。
まぁただ、夏にこの厚みで幅があったらあったで、汗だくになりそうですが。
次に、プリンスED10x50WPも同じなのですが、アイレリーフが見口(アイカップ)のせり上がりより長いです。そのため、アイカップから顔を浮かせて見ないといけないので顔をアイカップに付けて見る癖がある私のような人たちには最初は見えづらい感じがするかもしれません。
これは慣れるしかなさそうです。
でも、あとで書きますが逆光対策も含めてちょっと工夫してみました。
最後に「おお、凄い!」と思ったのが中央だけですが対象物との距離が125cmくらいでもピントが合いました。
(実際に巻尺置いてどこまでピント合わせできるか試しました。下の写真も実際にそれで撮った写真を加工してます)
当然見え方は丸ではなく、上のように丸が重なった感じにはなってしまいますが、それでもこの距離で中央のピントが合うのは凄いです。ちょっと先にある花や虫を見るのにこの距離は武器になります。
以上、操作系としてはバードウォッチングに使える性能を有していそうです。
5.見え方(像)
実際に双眼鏡を覗いた感想です。
比較対象は賞月観星のプリンスUF7x32WPとプリンスED10x50WPになります。
コントラストはプリンスEDが一番高かったです。
次いで微妙なラインでプリンスUFです。
ただ、PGがコントラストが低いというわけではなく、裸眼で見た感じと同じコントラストな感じでした。
若干、裸眼で見た色より黄色みが強いですかね?
立体感も自然な立体感でした。
やはりポロ式は対物レンズの間隔が眼幅より広いので、演出された立体感に見えるのですが、直筒のダハ式はその辺が自然になるのかと思いました。
PGの中心像の綺麗さはとても綺麗でした(というかプリンスEDもUFもとても綺麗ですポロ式の利点がとても活かされているのではないでしょうか)
周辺の崩れも、目で見る分には全く気になりませんでした。写真で撮るとそこは正直写りますが、50%はピントが一致していて、そこから外へ80%くらいまで徐々にピントが外れていって、最後20%で崩れる、といったところでしょうか。
気になる逆光で像が白くなる現象は、プリンスUFと比べるとちょっと白い?でも言われなければ気が付かないと思われます。
そもそもにして、私的には自然なコントラストに見えるPGですので、高コントラストに演出された物と比べて白く感じるのは当然かもしれません。
しかし、これを白いというベテランの方達の目は本当にすごいと思います。いろんな高級双眼鏡、中級双眼鏡を見てきた経験値なんでしょうね。
ちなみに一番色が引き締まって見えていたのはプリンスEDです。
でもここで、どうして白いと表現されるのか納得いかず色々と試していたところ、「ああこれですか?」っての行きつきました。
このPGの欠点なのかもしれませんが、像が全域しっかりみられるアイポイントの範囲がとても狭い感じがするのです。まさに一点集中型。
このアイポイントの範囲からズレるとブラックアウトするのは分かっていたのですが、ある時、、、あ、なんか白い滲みが出た、これか??って感じでした。
スマホカメラの角度を変えて再現してみたのが下の写真です。
6.星見として
比較対象はこれもプリンスシリーズ2台です。
一番いいのはやはりプリンスED10x50WPでした。
対物レンズ50mmの大口径と、倍率10倍でのグッと引き締まる光と色(黒)が最高です。
次いでが、PGでした。
私的には意外でしたが、瞳径が5.25とプリンスUF7x32WPより大きいのと口径が大きいせいですかね。これがUFの口径が35mmだったらまた違っていたのかもしれませんが。
7.子供目線
今回は子供の感想はほとんどありません。流石に眼幅が合わないので覗けませんでしたので。
見た目の感想は「カッコいい。でもこっち(プリンスUF7x32WP)の方が好き」だそうです。
8.量販店に他のメーカのサンプルと一緒にあったら
もし賞月観星さんを全く知らない状態で、PGが定価のままの値段で他のメーカの双眼鏡と並んでいたら、おそらくもう少し頑張って、BD2もしくはM7を購入していると思います。
理由は、鏡筒内の作り(黒く無い部分がすごく目立つ)と、盛大に現れる瞳径近くの漏光です。
多分、量販店の売り場では、見え味などはそれほど差は現れないと思います。それこそ好みの見え方はこっちかな、程度だと思います。
逆光性能もそれほど試せないと思います。
蛍光灯やLEDライト見ても、売り場自体がもともとライティングが白いので、像が白くなったかどうかなんてわからないと思います。
ではどこで判断するか。
外観の見た目と、中を覗いた時の作りと、瞳径の形、鏡筒内の漏光や迷光具合、フロアの遠くの白抜き文字とかを見ての色収差具合です(コーティングの差は私のような初心者にはわからないです)
外観と瞳径の形と色収差は全く他の物に負けてません。
中心像の綺麗さは他より優っていそうです。
しかし、ここで賞月観星さんの他の製品とか製品への熱い思いを知らない人が、内部の黒く無い部分と大きな漏光を見たら、購入をやめると思います。
実際、像の綺麗さは別としまして、BD2は瞳径の近くにはほぼ半月の漏光はありませんでした。そうなると屋外でバードウォッチングでの使用を目的として購入を考えている場合、コントラスト低下や逆光性能の低下につながりそうな漏光が激しく出ている製品や鏡筒内の黒くない部分の面積が広い製品は選ばず、安心安定のBD2を選ぶのではないですかね。
定価がPGより2万円ほど高いのでその差なのかもしれませんが、先にも書きました通り実売価格は4.4万円ですので1万円頑張ってしまうかもしれません。
恐らくこれが、賞月観星さんを知らない人や初心者の心理だと思います。
以上が私のPGに対してのファーストレビューになりました。
総括として、私のような初心者レベルとしてはオーバースペックなところもあり、これを30%オフで購入できたのは幸運だったと思います。
アイポイントの問題も解決できましたし、今後の子供との冒険にとても役に立ってくれそうです。
我が家の女神になってくれるかどうか、これからが楽しみです。
ちょっと残念だったのは、浮いた予算で家の人用にヤフオクで落札しようとしていた賞月観星さんの5X25が落札できなかったこと。賞月観星さんの小さめの双眼鏡を欲しがっていたので残念でした。
定価より高い2万円の入札がありましたからね。よほど欲しかったのか妨害なのか。まぁそこはわからずです。
それでは、今回はPGでコリメート撮影した写真を載せて、今回はこれにて失礼いたします。