映画感想 テーマは、女性・老人・子ども・ジェンダー・セクシャリティー・マイノリティー・働くこと・・・etc -3ページ目

映画「胡同(フートン)の理髪師」(中国)

これは、北京の古い路地「胡同」に住む、93歳の理髪師チンさんの日常を描いたもの。チンさんは実際の現役の理髪師で、今も古いなじみのお客さんの家に三輪自転車で訪れて散髪する。「いつも、こぎれいにしとかなくちゃ」が口癖のチンさんはさすがにいつも櫛を持ち歩いて自分の髪をとく。映画は、そんなチンさんの日常を淡々と描いているだけなんだけど、どことなくユーモラスな雰囲気が漂う。身近な老人が次々と亡くなっていく中で、チンさんは亡くなったときのためにと遺影用の写真をとり、葬儀社への説明のためにテープに自分の人生について吹き込むんだけど、そのテープを猫が引っ張り出してダメにしてしまったりして、それを怒らないチンさんがいて。画面にはなんともいえないユーモアが漂う。

こういう映画を見ると、日常はユーモアに満ちていると思ってしまう。