ご無沙汰です。
前回はiPhone付属のヘッドホンが十分に考えつくされていて、
音質もそれなりに良いと書きました。
あれから付属ヘッドホンを中心に日常的に使用して、
なぜ、iPhone付属に魅力を感じるかを体感してきました。
その結果、確信した事の一つに確立された音色を感じました。
BOSEやB&W等の有名メーカーにも必ず味があります。
KENWOODやALPINEの車載スピーカーにも確立された個性があります。
マクドナルドでモスバーガーが出てきたら、嬉しいと言うよりは違和感があるはずなのです。
iPhone付属ヘッドホンの味付けはカフェでBGM的に聞く際の居心地の良い音です。
高音部分に過剰な潤いを排除した、カラリとしたカルフォルニアサウンドというやつです。
なので陰影の深い哲学的な曲やROCKには向いていません。
しかし、街で楽しく歩きながら聞くにはやはりBGMサウンドが向いているかと思います。
また、音の分離間がとても良いモニター調なので、ギターやパーカッションの鮮やかさ、
管楽器のリアルさが際立つ事が多く、街や風景をキラキラとさせる効果を感じます。
高音がやや甲高く、陰影やリアリズムの追求というタイプとは正反対。
原音を追求したフラットな中で精密感を追求したという顕微鏡タイプでもなく、
ただ音楽を楽しんでください。
みたいなメッセージがこんな付属ヘッドホンにも込められています。
付属ヘッドホンはゴミみたいな風潮が多く、確かにそんな物も非常に多いのが現実です。
例えば中華製MP3プレーヤーやPSPのワイヤードリモコンに付属の物とかはひどい音質でした。
iPhoneの付属も今までゴミ扱いの代表格の様に扱われてきました。
私もipod miniの音質を確認した際に、これはいけないな、と感じました。
しかし、iPhone4と付属ヘッドホンの組み合わせは本能的に良いと思わせる何かがあります。
この様なTPOに合った最適なカスタマイズに関してアップルは黙して語りませんが、
これぞ彼らのおもてなし文化かと思います。
外出時に求められる音質のテイストや使い勝手を深く理解しているからこそ出来る事であり、
開発陣はそのあたりの事をよく考えていると言えるでしょう。
電車内や図書館などの音漏れによる周りへの配慮が必要な時、
あるいはよりしっかりとした低音や伸びやかな高音が欲しいのであれば、
カナルタイプがお勧めです。
カナルタイプは息苦しさや歩行時のタッチノイズが多分に入るので、
歩きながらの使用には向きませんが世の主流はカナルになっています。
アンチカナルの私からすると、歩行時もよくつけてられるなぁと疑問なのですが、
大方はこんなもんだと思って使ってられるのでしょうか。
カナルタイプはダイナミックタイプとBAタイプの2種類に分かれます。
ダイナミックタイプはダイアフラムが大きい分、音場やダイナズムは広く感じますが、
繊細な表現はやや苦手で、高音の表現力は大味な物が多いです。
だいたいダイナミックタイプの高級な物で1万円程度が主流です。
SONY、オーデイオテクニカ、DENON、KENWOODあたりが主流となっています。
高級な物としてはBAタイプでしょう。
BAタイプは振動版がかなり小型で磁力の反発を利用したシステムです。
リニアティが非常に高く緻密な表現力がメリットとしてあげられます。
ER-4あたりは4万円前後とかなり高価ですが、カナル時代の始まりは最も優れた機種として
人気機種でした。
補聴器で使われていたのがBAタイプの原点であり、モニタースピーカーとしてカナルが使われていたのが
その歴史の始まりです。
そんなBAタイプのカナルにも欠点があり、低音が出ない等の弱点がありました。
そこでそんな弱点を克服するために、低音と高音を別々のユニットを組み込んだ
2ドライバー形式としたのが次世代カナルです。
次世代カナルで最もハイグレードな物は3ドライバー構成となっていて非常に高価です。
2ドライバーの物でも2万円くらいからと、普通ではなかなか買いにくい物ですが、
アップルが出したのは7800円で買える2ドライバーBAカナルでした。
Apple In-Ear Headphones
アップルのイメージ通りのホワイトです。
専用のケースが付いていて収納も美しい。
見た目においても価格を超えた満足感があります。
もちろん、あの素晴らしいリモコンも標準ヘッドホンと同じなので使い勝手は全く変わりません。
肝心の音を聞いてみると、高音の美しさや消え際の表現力に驚きます。
基本的なサウンドテイストは純正と同じ様なカラッとした気持ちの良い音作り。
陰影のあるクールさや、彫りの深いいぶし銀なサウンドではありません。
明るく、気高く、ナチュラル。
そんなキーワードが当てはまります。
低音に関してはさすが2ドライバーBAだけあって、ER-6よりもずっと出ています。
クラッシックだけに適している様なシングルドライバーの様な悲しい事にはなりません。
どんなジャンルも不満足を感じる事が無く楽しめるでしょう。
ハウジング部分が小さいので比較的耳への収まりがよく、すっぽりと差し込む事が出来ます。
先の部分の金属部分はメッキではなく、アルミ製でしっかりとした重みがあります。
制振がしっかり行われる事で音の芯がくっきりとしてぶれる事がない再生につながっています。
純正の白いカナルチップがついていますが、中は固めのシリコン製の筒が付いていて中折れする事も無く、
出来は良いのですが表面のサラサラとした仕上げが、私にはカサついた感触で耳が痒く感じます。
また、球状に近いので耳へのフィット感は良いのですが、
定ポジションへの収まりが悪く、違和感を感じる事があります。
そこで評判のSONY制EXチップの
Mサイズを使っています。
こちらは砲丸タイプで、表面はツヤツヤとしているので、
エンボス加工で痒くなる事も位置がずれる事もありません。
音質的には低音が増えて、音の重心は増しますが高音の瑞々しさは若干スポイルされてしまいます。
自宅や、全く動かない環境であれば純正の方が良いかもしれませんが、
個人的には安定して使える安心感からかSONYのチップをお勧めします。
さらにポータブルアンプを使うとこのヘッドホンはさらに魅力を増します。
DOCKから出力させた音声信号を使わないと意味がありません。
低音の腰の入り方、各楽器や声質までも一変します。
それだけ機器の実力をはっきりと解らせる事が出来ると言う事は、
ヘッドホンとして優れている証拠なのです。
しかし、本来の魅力は、
やはりリモコンの使い勝手と
手軽にポータブル環境で(しかもiPhoneだけで!)
高音質を味わえる事なのではないでしょうか。
新幹線の中でカバンにはiPhoneとヘッドホンだけ。
椅子に座って、ヘッドジャックを差込み、耳元のリモコンでプレイします。
素晴らしい遮音性と音質でその場所がサウンドルームへと変貌します。
iPhoneにはお気に入りの音楽が沢山詰まっています。
窓から流れる風景は田舎ののどかな風景が広がってゆったりとした気持ちになります。
そんな気分に合わせてGeniousu Mixでカントリーを選択してみたり。
風景との中でシンクロする意外で新たな名曲を発見して、驚くとともに感動させられたりする事もしばしば。
メールや電話も携帯電話なので教えてくれるので着信に気を使う必要もありません。
シンプル、簡単、高音質、発見、想像、気持ちいい。
こんなたったの7,800円で、エキサイティングな事がかつてあったでしょうか?
何度も何度でも言いますが、
iPhoneで価値観は変わります。
本当に必要な物は
後悔の恐怖から逃れて、
飛び込もうとするあなたの勇気だけなのです。



