こうして不幸な人生を終えたコンサイス・G君の事は、世の中から忘れ去られていきました。
しかし彼は凄かった。
アンプは純粋な音を出すために、綺麗な電源から音を取り出して、綺麗なまま増幅する事だけです。
コンサイス・G君にはその為の技術がたくさん詰まっていました。
アンプは中身をバラスとその素性がわかってしまいます。
では、最も人気の高かったKENWOOD「k‘s」の中身から・・・
剥き出しの白いトロイダルトランスが印象的です。
普通はこのトランスは黒とかの鉄板に封印するのですが、あえて入れませんでした。
メーカーの話ではこれを箱に入れてしまうと不要な反射が起きてしまい音質に悪影響がおきてしまうからとの事でした。
銅線を丹念に手作業で巻いた特注品。さすがK's。
音の入り口の電源トランスに抜かりはありません。
後はコンデンサーが6800guの物が2本入っています。
フロントパネルには5mm厚のアルミ材が使われていて豪華な造りです。
私が学生の頃に憧れただけの事はあります。
このK's好きが高じてその後にKENWOODの仕事をしてしまうのですからよっぽど好きだったのです。
ちなみに、当時最強のミニコンポと言われたProPixy。
198000円とミニコンポらしからぬ高い物でした。
今でもファンが多くてミニコンポ界じゃ伝説になっていますが、アンプ部分はどんなものか。
トランスだけRコアトランスで良い物ですが、中の部品が少なすぎです。
ノイズ対策も工夫が見られません。
コンデンサーはK'sと同じ6800guの物が使われています。
ミニコンポはやはり思想がハイコンポとは違う事がわかります。
次はサンスイです。
アンプでは最も人気があるだけにハイコンポといえども期待が出来ます。
中央から左にかけて、ヒートシンク、出力部分がセパレート構造となっているのがよくわかります。
左右独立ディスクリート構成で昔からある手法ですが人気のある構成となっています。
EIトランスは性能的にはダメなはずなんですが元々サンスイはトランスの定評があった会社が元となっているのできっといいんでしょう。
基盤にはダイヤモンドサーキットと書かれているので、最終段の出力は単品の技術が移植されているようです。
コンデンサーは8200gsとこのクラスとしては強力な物が使われています。
そして次はいよいよコンサイスなのですが、恐らくネットで今回が初公開かもしれません。
私は散々ググッタのですがありませんでした。
ではその中身は・・・
衝撃的です。
何が衝撃的なのか?
どのメーカと比較しても、余りにもすっきりしているのです
しかも17年も立つのに埃がほとんど無い・・・
素晴らしい基本回路です。
ハンダも美しく、基盤同士がソケットで接続されています。
同時期に出ているアンプとはとても思えません。
コードで接続するとハンダ箇所が多くなり故障率が高くなってしまいます。
また、埃が中に入ると部品の腐食やショートの原因になります。
また、中に詰め込みすぎると不具合をすぐに発生してしまいます。
昔、ソニーポータブルDATを信じられない詰め込み方で凝縮したのですが、私の物は3ヶ月に1回修理して、4回修理した記憶があります。
ネット上を調べた結果、やはり壊れまくっていました。
コンサイスの中身はひじょうにすっきり。
このアンプが壊れにくい事がわかるのです。
これが大企業の出来る技。
ビデオデッキや他の電気製品で使われる概念を取り入れた結果、マニア好みの作り方しか出来ない専業メーカーを凌駕しています。
松下だから出来る「世の中により優れた製品を送り出して、生活を豊かにする理念」
当時、日本人が砂漠に旅行に行ったりすると、現地の人に日本人か聞かれた後に、褒められる事がよくあるようです。
「ナショナルのラジオは凄いねぇ!このラジオだけは特別なんだ!こんな砂嵐の中でも全然壊れないんだよ!!」
MADE IN JAPANの高品質はこんなところで立証されるのです。
松下幸之助はまだ無名だった頃、夜を寝るのも惜しんで、より明るく、より切れにくい電球を作っていたと聞きます。
コンサイスのアンプにもそんな思想が受け継がれているのです。
何かと誤解されがちな松下電器。
特にオーディオ業界では悲惨です。
私がやっていたカーオーディオ業界でも全く相手にされていませんでした。
その誤解を私は解いてあげたい。
偏見を持たずにその技術を認めて欲しいと思っています。
好みの音かは別ですがこのコンサイス、凄いのは壊れにくいだけではありません。
技術がハンパじゃなかった。
強力なRコアトランスです。トロイダルトランスより高く、この部品だけで1万円から1万5千円はします。
EIコアトランスよりリーケージフラックスが少なく他の回路に悪影響を与えません。
結果、滑らかな高音域とタイトな低域の響きとつながります。
そして大事なのは、他のメーカーよりも、他の基盤から離して配置してわずかに出る悪影響も嫌っています。
ミニサイズでも甘えちゃいかんのだという姿勢が貫かれていて非常に好感が持てます。
コンデンサは8000gsの物でサンスイと同等です。
他のメーカーは全てパーツ屋で売っているものですが、
これはTecnics Masterと書かれた特注品です。
制振構造を軸に、アルミ箔や電解液、セパレーター等の構成要素を変え、20種類以上を試作した中で厳選した
結果、徹底的な音質検討を繰り返した上で選ばれた高音質パーツでした。
上記はMOS-FETという最終的に出力段に使われる物ですが、これもテクニクスならではのオリジナルの物です。
MOS-FETは単品アンプにはよく使われている、理想の素子と言われる物ですが、テクニクスは長年、これに誰
も取り組まない中で、改良を加えていました。
そして完成されたのがClassA、ClassAAと進化した結果、完成されたMOS-FET classAAです。
革新的なのは、この回路によって4CHアンプとして動作して一方がカレントドライブとして扱われるため、A級アン
プ動作となる事で優れたリアリティと想像も出来ない表現力が可能となります。
加えて、この構造により入力された電圧を出力側でコントロールできる事が可能になった為、
理想の電源、バーチャルバッテリーオペレーションが実現されています。
結果、家庭用電源からのさまざまなノイズをシャットアウトして、バッテリー駆動に迫る緻密な表現が可能になりました。
その他にも多くの松下製の高音質専用パーツが使われています。
ボリューム部分にはコンサイスだけが金メッキブラシ、高音質カーボン抵抗体が使われていて、耐久性が非常
に高く、20年たった今でもガリが全く発生していません。
表面パネルは7mmの極厚アルミの物です。
天板も2.5mmのアルミ製でこのクラスでここまでこだわったパネルという物を見た事がありません。
以上、全てのポイントにおいてコンサイス・Gはハイスペックで、価格は他社と同じで定価5万円台なのです。
なぜこんなに特徴が多いのか?
でっちあげ?
違います。
驚くなかれ。これらの技術は数年前にテクニクスが開発した20年前のアンプと同じ技術なのです。
この高品質な技術を一般に普及させていく事が、松下イズムの真髄なのです。
中級メーカーは「やっぱり○○だよね」と伝統を用いて、最もメジャーな技術を用いて頭の悪いマニアを捕まえます。
頭の悪いマニア諸君は「やっぱりトロイダルコア」だよね。とか
やっぱり「サンスイだとね」とか言っちゃて、世間に吹聴するので素人もそう思ってしまう。
店員もそうやって合わせて売るほうが楽なので否定はしません。
だから、本当の技術や理念なんて吹き飛んでしまいます。
音なんていい加減な物でイメージだけでいくらでも良く聞こえるし、悪く聞こえます。
評論家だっていい加減です。
きっと聞きもしないでこのアンプをこう言うでしょう。
「これは非常にアダルトなサウンドだ。解像度は高く分離感も良いが、上にも下にもレンジは欲張っていないので
空気感までは再現しない。低音も必要以上に切り込んで来る事がないのでジャズやオーケストラではなく透明
感のあるボーカルを堪能するのには非常に向いているといえる」
ふざけるな。と言いたい。
上記はテクニクス専用の文法みたいな物で、大体は蒸留水か透明感と相場が決まっている。
聞き込めば聞き込む程に、SU-V70の本当の素性が見えてくる。
低音はズンズンと響いてくるし、サックスの切れ込みもゾクッとするほどリアルだ。
そして解像度は指摘どうり抜群に高い。
このアンプは数ヶ月前にヤフオクで4000円で落札した物です。
しかも、入札は私ひとりで全く人気がありませんでした。
レビューがどこにも全く無くて、分解写真も見れず、いいのか悪いのかわからなかったけれど、
聞くたびに何かこのアンプはおかしいと思った。
まさかこんなに良い物だったとは・・・・・
テクニクスさん、脱帽です。
本当に誠実な良い物をありがとうございます。
2010年現在に売られている、93年前後のハイコンポは今でもヤフオクによく出ているが、ジャンクやガリが発生し
ている物が非常に多い。
完動品を見つけ出す事のほうが難しい。
しかし、このコンサイス・Gだけは、ほとんどの物が壊れる事も無く、動作良好で取引されている。
この事実から学ぶ事は非常に多いと思う。










