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昨夜はさんと留守番でした
師匠の弟さんが急逝され、茅ヶ崎での葬儀に出向くための留守番を引き受けました
急ぎ足で進むと向こうから、空の車椅子を押して来る女性が。
会釈してすれ違い、チャイムを押すと
: あっゴロンタさん。僕、今帰ったところだよ
: おかえりなさい。駐車場に車が来てたからビックリしました
ドアポストの夕刊を引き抜き
二人で笑いながら入室
さんは自室にて着替え、荷物を片付ける
は荷物を置いて、エアコンを点ける
さんの帰宅後の一連の動作には解除不要とのお達しでした。
時々
: あれ? 着替えはどこだ?
とか
: それでこれは?
とか
聞こえてきますが、助けて欲しいとは仰らないのです
それを良しとして
ピアノの練習を始めた
ハノンの練習を終え、いよいよ「伴奏カノン」を弾き初めて間もなくさんが居間に到着
ソファーに身体を預けたさんの隣に腰を下ろして相談しました。
お弁当をコンビニに引き取りに行くのは6時とし
: 僕は6時から野球を観て待ってるね。昨日台風で中止になった試合、今日はやるよね
いつも師匠に夕刊で確認してもらうとのこと。
: 今日は私にお任せください
と、天眼鏡で夕刊のテレビ版を見ると野球中継なんて何処にも書いて無いです
: そうか、昨日の時点で中止になってたのかな
それじゃ何でもいいよ。テレビ観て待ってるから、ゴロンタさんはコンビニ行って、その足で先に旦那さんに届けてね
: はい。ありがとうございます
でもまだ5時半を過ぎたばかりです。
テレビを点けたら観始めたさんが
: ピアノの練習続けて。僕は耳が遠いから字幕を読んでるんだ。野球なら音も字幕も要らないんだよねぇ
お言葉に甘えて練習させて貰いました。
ピアノの蓋を開けたまま
: そろそろ6時なので、出掛けますね
: どこ行くの?
: コンビニにお弁当を取りに行ってきます
: もう6時なの?
それじゃお願いするよ。先に旦那さんに届けてね
: はい。行って来ます
コンビニを出たら、師匠から
さんが待つ居間に入ると
ソファーでテレビを見ていて、声を掛けても聞こえていないようなので、肩をトントンして
: ただいま
振り向いて
: あぁもう帰ったの?先に旦那さんに届けた?
: はい
: 旦那さんテレビ観てた?
: お風呂に入ってました
: 一人で夕飯。悪いよね
: いえいえ、これからお楽しみの始まりですから、煩いのが居ない方がいいのです
: 晩酌ね
そう言いながらテーブルに就いたさんとお喋りが始まりました。
さんは、今は亡き立川談志さんと小学生の時からのお友達。
中学で彼は水泳部。僕は野球部。その後彼は落語家の道へ。僕は進学。でも連絡を取り合って新宿で会っていたそうです。偉くなってからも、ここに電話を掛けてきてくれたけど、忙しいのに申し訳なくてねぇと嬉しそうに話してくれました。
また野球では、マリンスタジアムのマウンドで投げたこともあるとのこと。ナイターで明るくて広い球場だったのはいいけど、8時には照明を消すので、暗い中で後片付けした思い出を笑って話してくださいました。
そこへ師匠がご帰宅
トントン拍子でスイスイとことが流れ、難なく帰って来られたと笑顔で話す師匠に、シャワーを浴びるように勧め、こちらは
今少しピアノの練習をして、夕飯を食べることに。
ピアノの蓋を閉じたに
: もうおしまい?
: はい。雑音で失礼致しました
と爆笑の2人はお弁当を並べて
: ねぇこのお弁当、このまま食べるの?温めなくていいの?
実はそのまま食べるつもりでしたが
: あっそうですね。温めましょう
: うんそうしてくれる?
僕はできないけど、ゴロンタさん電子レンジ使ってみてよ
: はい、やってみます
我が家とは全く違うタイプですが、何だかとても親切な表記のボタンが並んでいました
その間さんは、ランチョンマットをきちんと定位置にピンと伸ばすように敷き、お箸とコップを並べていました。
扉の向こうの師匠に
: 凄い。さんがテーブルセッティングしてくれてます!
と報告すると
「何でもやってもらわないとね」って
: いただきます
食べ始めて間もなく
: 何だ?このシャケしょっぱくないよ
ご不満のご様子。
そこに師匠が来て
「今時、しょっぱい味付けなんかしませんよ」と。
バツが悪そうにこちらを見ているさん。
: 身体に悪いですもんね。美味しい鮭ですよ
: 僕はこんなんじゃダメだ
と苦笑するのでした。
師匠も座り、さんがお箸を付けなかったアレコレを食べたり、冷蔵庫から色々出して、さんに勧めたり。
そしてコソッと
「これゴロンタさんだけだったら文句言わずに食べたのかしら」と師匠。
: 多分食べたんじゃないですか
と、二人で笑いました。
食後
「あらゴロンタさん。デザート忘れてるわよ」と師匠が慌てて冷蔵庫から葡萄を出してきてくださったのですが
: もう入りません。だっていつも夕飯はおかずだけなんですから
これにお二人が「そうなの」
「でも別腹に」と勧められ
巨峰とシャインマスカットを一粒づつ。
パクッ モグモグ ゴクンのに
: 皮も食べちゃうの?
そこから果物談義が始まりました。
それぞれの実家の実の成る木や、家族、食生活のエピソードが次々に。
終いには師匠が
「アケビだけは食べたことないわ。スーパーで売ってるの?」
: うーんどこにでもとはいきませんが、扱ってる八百屋さんとかありますね
「あら、そうなの?」
: 甘いんですけどね、でも買って食べる程ではないですよ
: 種ばっかりだよ
気付けば21時で、慌ててお暇致しました
あっそうそう
師匠宅での写真を撮りそこねましたので
せめてお弁当のお品書きだけでも
本日はこちらをご覧ください
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