今日仕事から帰ると、庭にホースが放り投げてあったので、それをくるくるまとめた。

そして、ホースのついてる水道の蛇口が閉まってるか確認した。

以前、蛇口が閉まってなくて、蛇口からホースが抜けて、水がバシャバシャ出てしまい、ご近所さんからクレームが来たことがあったからだ。

あの一件以来、帰宅時に庭の水道の蛇口が閉まってるかを確認するようになった。


まとめたホースを地面に置き、水道を見ると、水道の蛇口とホースはしっかり連結されておらず、水がホースの脇からさらさらと流れている。

ちっ、またか!と舌打ちして家に入って夫に言った。

「庭の水撒きしたのなら、ちゃんとホースもまとめて、蛇口も閉めてよ!また水が漏れてるよ!」


「え?今日水撒きした後、きちんとホースをまとめたし、蛇口も閉めたし、その後、蛇口からホースを取り外しておいたんだけど。また水が出しっぱなしになったらいけないと思って」


「じゃ、誰?」


「多分…継子だと思う」と夫は言う。


そして、本当に犯人は継子だった。

自転車のサドルが日光で熱くなってたから、蛇口にホースを取り付けて、サドルを水で濡らして冷ましたらしい。

「でも継子、自転車乗らないよね?今日乗ったの?」


そうたずねると、「乗ってない」と言う。


はい、いつもの謎の返答。

何してたのか本当の事は一生分かりません。

あの子はいつもそう。

何でしたの?と聞いても嘘を必ずつくのだ。本当の事は言わない。言うと叱られるような事をしてるからだろう。


「勝手な事するなよ!」と夫は叱っていたけど叱っても無駄なのだ。

何を言っても無駄。やりたい事を好きなようにやる子なんだから。

蛇口を閉めるって事もできない。あの子のせいでお金が無駄にかかる。水道代いくらくるんだろう。私の日々の節約はこういう事で無駄になる。


継子の風邪は長引いていて、まだ咳が残っている。

上の子は継子の風邪がうつってしまった。

今は上の子と継子は自分の部屋で食事を摂っている。

継子は食べた後の食器を持って降りてこないので、私が部屋まで取りに行った。

2食分の汚れた食器が床に置いてあった。

そして、ベッドの下に視線を落とすと、ベッドの下がまたもや、ゴミだらけ。お菓子の袋や箱。そして私の大切にしている漫画本が数冊ぐちゃぐちゃにして隠されていた。


ゴミ箱は部屋にあるのに。

ベッドの下にゴミを隠す。


私の漫画は以前もぐちゃぐちゃにしてベッドの下に隠されていたので、読むな、触るなと伝えてあったのだ。


あの時と全く同じ事をしている。お菓子のゴミの山と私の漫画がぐちゃぐちゃになっている。

私の漫画だ。たかが漫画かもしれないけど、私の物なのに。

ほら、叱っても無駄なのよ。


「ねぇ、あの子ってさ、おかしいと思うのよ。嘘ばっかつくし、本当の事を言わないし、叱られても自分が悪いと思えないし、やりたい事が我慢できないし。あなたにとっては小さな自分の息子で可愛いのかもしれないけどさ、私はあの子が怖いよ。何考えてるのかも分からないし。後数年経てば、あなたと同じくらいの身長にもなるだろうし」


夫にそう言っても、どこか遠くを見つめて、私の言葉を聞き流してるように見える。

「そうだね。僕もおかしいって思う。でも変な事しないように僕が叱るから」

叱るのは今日のように何かが起こった後にしかできないのに。

四六時中見張ってる事も無理だし、あの子が何をするか予測なんてできないのに、そんな無理な事をぼんやり夫は言うのだ。


「でも小さい頃に比べたら、大人しくなったよね?」と夫が言うので、今度は私がうつろな目になった。

そういう問題ではないのだ。


「お母さん、子供はね、親が育てたように育つんですよ」

暴れる継子の育児に悩んでる私に笑顔でこう言ってきた保育士の顔がふと思い出された。

もう随分前の出来事なのに。


親が育てたように育つ、、、わけねーだろ!!!