一番上の子はほぼ毎日塾に行ってる。
かなり勉強してると思う。
「上の子、毎日塾で大変そう。そういやさ、私は自分が中3の夏休みは全然勉強しなかったんだよ」
夫に何気なくそんな風に言った。
「勉強はするよ」
夫はひと言そう言う。
「何のこと?」
私は尋ねる。
誰の事を言ってる?何の事?
「勉強はするでしょ、受験生だから」
夫は言う。
「誰が勉強するの?上の子?それともあなた?」
自分でも質問しながらよく分からなくなってくる。
「僕だよ。僕は中学3年の夏休みは勉強した」
こういう事がよくある。
会話が成立しない。
私が悩み事を抱えていて、相談しても、相談に乗ってくれない。
「辛かったんだね」
とは言ってくれる。
職場で軽いパワハラにあってるのだけど、私にとってはかなりのストレスだ。
その事を夫に相談した時、夫は何か書類に目を通していた。
その書類に記入をしたい夫は私の話を聞いてる間、ペンを握りしめて私の顔をじっと見る。
でも気持ちは書類に向かってるのが分かる。
書類に向かってる気持ちを悟られまいと、じっと私を見つめる。
でも多分話を聞いてない。
真剣に聞いてるふりをしてるだけだ。
どう思う?
そう聞いても、私を凝視したまま黙る。
「桃子ちゃんが辞めたいなら、辞めたらいいと思うよ」
しばらくの沈黙の後、そんな事を言う。
話が終わった、自分の役目を果たし終えたと思った夫はほっとしたように書類に記入をはじめた。
先日、末っ子ちゃんを上の子に見させて、仕事に行った件については逆ギレされた。
「嘘ついて仕事に行ったわけじゃないんだから!ちゃんとLINEして行ったんだからいいじゃないか」
LINEして報告すれば末っ子の面倒を上の子に託して仕事に行ってもいいなんていうルールは決めてないのだけど。
彼の中では嘘をつかなかった自分は偉いと思ってるようだ。
話が噛み合わない。
「今は嘘をつく、つかないの話じゃないんだよ。末っ子ちゃんをちゃんと責任持ってみてくれてるかどうかの話なんだよ?すり替えないで?」
そう伝えると、「何でだよ?!」と怒る。
話が噛み合わない。
いつもいつも丁寧に分かりやすい言葉で説明しないと理解してくれないし、まともに話を聞いてくれない。
多分私が話してる言葉は夫の耳に届かない仕様になってるんだと思う。
興味関心がないから。
面倒臭いから。
彼はどうでもいい会話とも言えない会話をして何事もなく穏やかに時が流れるのを望んでいるのだと思う。
「ごめん、あなたと話が噛み合わないんだけど。言葉のキャッチボールができない。質問に答えて欲しいんだけど」
そう伝えると、おうむ返しをしてくる。
「本当、桃子ちゃんとは噛み合わない!キャッチボールができない!」
は???
「あなたのそういう所、嫌なんだけど。今すごく腹が立つ」
「僕も桃子ちゃんのそういう所が嫌なんだよ。僕も腹が立ってる」
は????
会話が成立しない。