夫婦って、家族って何だろうと思う。
お互いフォローし合える、一番近い存在の人だけど、納得していない事、できない事、やりたくない事を夫婦だから、親だからと、させるというのは私はおかしいと思う。
思い出すと、私の父親は自他境界線が曖昧な人だった。
妻や子供といった自分の家族は自分の所有物と思っていた。
親の面倒を子供が見るのは当たり前。
そう言って年金に加入もしていなかった。
健康保険料も未払い。
親に何かあれば子供達が助けるのが当たり前。
そんな風にずっと言われて育った。
私が社会人になっても度々金の無心をされた。
何度か貸したけど一度も返ってこなかった。
妻である私の母に対しては、常に金の無心。
そして、妻から借りた金はもちろん返さない。
その額は何百万にも及んだ。
父親が困っているんだから、子供が金を与えるのは当たり前。
夫が困っているのだから、妻が金を与えるのは当たり前。父は本当にそう思っていた。
だって、食うものにも困ってるんだから、仕方ないだろ。
うまくいっている人が困っている人を助けられるんだから、助けるのが当たり前。
そういう発想だった。
私は中学生くらいの年齢で、いつか自分が働く事を想像して絶望したのを覚えている。
妹にこう言った。
布団に入って寝る前だった。
暗い部屋の天井のオレンジの電球を見ながら。
「ねえ、いつか働くようになったらさ、給料全部お父さんにとられるのかな。」
「そうだろうね。働いても給料とられるよ、きっと。」
妹もそう言った。
あの時の事を今でもよく覚えている。
父はいつも母の給料やボーナスをあてにしていた。
いつか子供の給料もあてにするんだろうって、まだ中学生だったけど、私達はそう思っていた。
夢も希望もないな…と思った。
父は極端かもしれないけど、夫婦だから、親だから、子供だからと、ズルズル自分と相手との境界が曖昧になってしまう事はよくあるんじゃないだろうか。
夫婦は特に家計を共にしているし、家事や育児を分担し、共有するから、そうなっていきやすいのではないだろうか。
私達は再婚家庭でお互い子連れだった。
自分の子供は自分で見よう、そういうルールを作って再婚した。
でも夫はルールを破り続けている。
自分ができないから、と決めつけて、自分が育てようと努力しない。環境を変えようと努力しない。ちゃんとこの問題について向き合おうとしてくれない。
ルールを破り続けている事に疑問を持ってくれない。
夫婦なんだから。僕ができないんだから妻がするのは当たり前。
そうやって夫は私がしたくない、できないと言ってきた事をさせてきたんだな。
そして、多分。
ジェンダーの問題とも深く関わってるのだとも思う。女性だから育児をするのが当たり前。男性だから働くのが当たり前。
私は断るのが苦手だ。
アダルトチルドレンだからなのかもしれないし、元々の性格なのかもしれないし、そこら辺はよく分からない。
相手の侵入をついつい許してしまい、相手の望む声掛けを嫌だと思ってもしてしまい、機嫌をとってしまう癖がある。
めちゃくちゃ頑張る癖がある。
だから余計に相手の境界線が曖昧になるんだろうか。
ほら、またこうやって自分のせいにしてしまう。
私もきっと自他の境界線が曖昧になりやすいのだと思う。
でも、意識して。
あなたと私は別の人。
そうやって意識していこう。
私自身も変わりたい。
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