バルザックの「セラフィタ」読み終え。純粋愛のため熾天使として昇天する物語。 | あと猫の寿命ほど。如露亦如電2024

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  2013年58歳の春に「うつ病」でダウン。治療に4年半。気づくと還暦を過ぎました。
  66歳になった2020年夏に「ああ、あと猫の寿命ぐらい生きるのか」と覚悟。世の中すべて如露亦如電です。

ニコニコ 夕日が西空に静かに沈んでいきます。日没はだいたい17時40分。10日後には「春分」です。

 今日は、一日ボーッとしていました。ボーッと韓ドラ見たり、部屋にたまっている新聞を整理したり・・・。明日11日は2011年に東日本大震災があった日。あの時福島原発で水蒸気爆発が起こらなかったので、私たちの生活は震災復興とかいいつつなんとか維持できていますが(被災地は今も大変ですが)。プンプンもし水蒸気爆発が起きていたら東日本全体がダメになっていた可能性が強く、あらためて原発の恐ろしさを感じます。それにいまでも福島原発のある場所に大きな地震が起これば「処理水」問題どころではありません。福島原発事故はまだ「進行中」なのです。

 

ニヤリ で、私はそんなことを新聞読み考えつつ、10年前の韓ドラ「朝鮮ガンマン」を見直しています。イ・ジュンギさん活躍しています。最近の新作韓ドラ時代劇はかなり現代風だったり漫画的だったりですが、この頃の時代劇は良いですね(歴史考証はともかく)。私は好きです。韓ドラのこと書くと長くなるからここまで。

 

おねがい 昨夜、バルザックの「セラフィタ」読み終えました。紙質がかなり劣化している文庫本で、漢字は旧字体。老眼の私は活版印刷が潰れて判別しがたいところがあって、ときに虫眼鏡を使って読んだのですが・・・面白かった。

 バルザック(1799~1850)は波瀾万丈の50年の生涯、20年ほどの作家生活で90編もの小説を残しているそうです。その作品群全体が「人間喜劇」ということでまとめられる構想だったとされていますが、その構想は彼の早すぎる死によって実現されませんでした。

キョロキョロ さまざまな作品をのこしているバルザックは「世界の文豪ベスト10」に入るほどの人ですが、作品数が多すぎて、簡単に文庫本で読める日本語訳は彼の作品量にしては少ないのです。ショボーン

 「セラフィタ」は幻想的小説で「神秘の書」3編の中のひとつ。神と愛の問題、あるいは信仰と愛の問題を、新・旧聖書を読み解くように語っていきます。

 フランス革命後の時代。全ての価値観が問われ、ナポレオン後にも引き続き革命は起こり続け、ブルジョア/資本が立ち上がる時代。ヘーゲルは大論理学を確立し、さらに新しい科学が勃興する時代(ダーウィン「の種の起源」は1859年)に、神と信仰と愛のあり方を、驚くほどの筆力で考察し描いていくこの作品。バルザックはセラフィタを、男女両性(セラフィトス/セラフィタ)として登場させ、熾天使(セラフィム)として昇天させます。

 

キョロキョロ 古書ならば2~300円と入手しやすいこの文庫版は、劣化していて読みにくいかもしれませんが(老眼には字が読みにくく、若い人には漢字が分かりにくくて)、手にしてその一節でも読めば、ああ、神とはそういうものか?そういう愛もあるのか?って思うかもしれません。

照れ 私は読んでいるうちに、般若経典(たとえば金剛般若経)を読んでいるような気が時々しましたが、それは作品のなかに東洋/インド的な間隔が織り込まれているからかもしれません。

 

ニヤリ さて、次は「谷間の百合」かな?しかし、先日古書店の店頭でツルゲーネフの「ルージン」(岩波文庫版)買ってしまいました。ツルゲーネフはバルザックのように小説作品が多くはなく、私はこれを読めばほぼ代表的な作品を読み終えます。どっちが先か?とりあえず。「谷間の百合」読み始めます。

 

ウインク  良い夜を!

 

☆写真/画像は上から、先日(3月4日)写した東武東上線大山駅にあったオブジェの一つ。なんとなく気に入っています。2枚目は「朝鮮ガンマン」の宣材ポスター{韓国のサイトから)。3枚目は角川文庫の「セラフィタ」の表紙、4枚目はその中身。老眼にはなかなかキツい紙の劣化と印字の潰れ。5枚目はツルゲーネフの「ルージン」(岩波文庫)の表紙。