十月を抱きしめてみるけれど
西空遠くに微かな爆音を響かせて軍用機が行き来し
頭上では小さな鷹が大きなカラスを追い回す。
訓練飛行に出された伝書鳩の群れは右往左往し
小鳥たち声を抑えて身を潜めている。
今朝はそんなふうに晴れていた。
僕はいつものコンビニへ新聞を買いにいく道で
素振りの野球少年やリフティングのサッカー少年に黙礼
部屋に戻ってからはラジオでイテウォンでの惨事に驚き
経済新聞1面の「自衛隊に統合司令部」の見出記事を黙読
世界はどこまで平和なのだろうか。
十月は極端な季節だったっけ
抜けるような青空の爽快感と時雨空の憂鬱感
飽食と飢餓が隣りあわせにあって
お祭りなのか革命なのか風の中で撚りあわされるから
記憶の中の僕はいつも悩み続けていたのではないか。
せめて僕は恋人の心を花一輪だけ取り戻すようにと
羞恥心に駆られて目の前のその風景を
怖ず怖ずと抱きしめてみたけれども
熟すまえに枯れ始めているこの十月は
腕の中で脆く崩れて色を失うだけだ。
※月に一つ目標の「詩の習作」。10月は、仕事が忙しくなっているので苦労しました。「仕事」は妥協と常識と世間相場感と・・・、要するに「詩的世界」の対極にあります。そして仕事時間が増えると、残りの時間は「睡眠」と「食事」と「疲れ取り」に振り分けられてしまうのです。というのが「十月を抱きしめてみるけれど」をうまくまとめられなかった言い訳です。
☆写真上は今朝7時半頃の青空。下は昨日の夕空。今朝この空で1羽のハシブトガラスを、1羽の鷹が追い回していました。
↓去年の今日のブログです。この季節、ベランダ菜園での土作りは大切です。