猛暑の週末に「新聞を読む」。日本はコロナ/ウクライナ危機後の状況大変化にどう対応する? | あと猫の寿命ほど。如露亦如電2024

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  2013年58歳の春に「うつ病」でダウン。治療に4年半。気づくと還暦を過ぎました。
  66歳になった2020年夏に「ああ、あと猫の寿命ぐらい生きるのか」と覚悟。世の中すべて如露亦如電です。

プンプン 練馬は今日も35度超えの猛暑日です(駅前はたぶん37度超えです)。私は逃げるように北参道の事務所(新宿御苑ろ明治神宮の緑に囲まれているので、練馬よりは2度ほど気温が低い)に、早めに出ていますが。それでも暑い。数年前までは、このあたりの南東側にも緑が広がっていましたが、東京五輪だとか再開発だとかで、やたらと森が伐採されてしまい(伐採計画が進められていて)、先行きが心配です。

 

ショボーン 困ったものです。緑は大切に! そして梅雨には戻ってきて欲しい。

 

ニヤリ 猛暑の週末は新聞を読んで過ごしましたが、新聞は参議院選挙期間のため? 国内政治には自粛気味? 選挙に影響がなさそうな「SMBC日興証券の不正認定」(毎日土曜朝刊)とか「物価5月も2.1%上昇」(朝日土曜朝刊)とか載せています。日経新聞は日経らしく、日曜日の1面TOP「チャートは語る」で選挙の支持率分析しています(「自民、シニア傾斜に死角」)。

 コロナ禍やウクライナ情勢は、いまも進行中なのに、扱いは各紙とも後退しています。飽きてきた? 結局「事象」「外国報道」を追うことで紙面を維持していても、各紙が「コロナ」や「ウクライナ」に「日本の基本的問題」が内包されているという観点で報道していないからだと思います。ウクライナについては「悪のロシア」対「正義のウクライナ/EU・英米」という戦争ゲーム的な図式では語りきれないし、世界は必ずしも「反ロシア」ではなく同様に「反米」でもあるということをどう扱うか? 南米において次々と「左翼政権」が誕生するのはなぜか? 「ウクライナ事態」では、ただ日本の軍備・軍拡のみが論議されていますが・・・、とりあえずは「ロシアは日本」という観点が欲しいです(いまの日本はどれほど「民主的国家」であるのかということ含め)。 

 

キョロキョロ そんな中で、日曜の読売新聞は「外国人労働者統計新設へ」を1面TOPに据えています。厚生労働省が「初の実態調査」をするとか。同様の内容については各紙とも取り上げています(記者会経由記事かな?)。

 厚生労働省が「調査」をするということは、外国人(外国籍)労働者の「労働力」の問題が日本で重要な労働問題になってきたということです。そして「引き籠もり」の職業訓練(労働者化)、「非正規の正規化」などとも密接に関連する問題だと思います。背景には日本の急速な人口減少があり、ウクライナやコロナ事態を受けての国内生産体制強化などとも関係します。

 要するに日本はいま「雇用の創出」ではなく「(外国籍労働者含めた)労働力の創出」に傾きはじめているということです。打ブル経済崩壊後の「失われた30年」を(日本人の)非正規労働者を量創出でしのいできた日本の資本は、非正規も女性労働力を限界までに使い込んできましたが(社会保障制度が伴わないので、働けばよけい苦しく、貧しくなるような雇用環境)、労働力不足はさらに(深刻に)進行しています。

キョロキョロ ITやAIを生産現場に導入しても、肝心の労働者がいなければ「資本主義」はまわりません。労働者は資本を蓄積するための「原資」であると同時に「市場」での消費を形作るのです(企業の装置であるロボットは減価償却される存在で「お買い物」しないのです)。ここを無視して「デジタル化」も「SDGs=持続可能な発展社会」もありません。第一、世界を見回せば、コロナ/ウクライナ事態で日本はすっかり「世界の外れ」になりつつあり、かつ軍事的には厳しい地域(沖縄をにいつまで犠牲を強いるのか?)です。欧米の一員として「世界の主流」であるはずの日本は、蘇ったような「BRICS」はじめ、「イスラム世界」「中南米の左翼系政権」との難しい関係性をどのように作るかという問題を抱えています。でも隣国韓国との関係すら上手く持てていないのです。

 

ニヤリ あ、書いているうちに問題が、なまら(北海道言葉です)大きくなりました。「アベノミクス」や「新資本主義」では全く対応できない、この日本の深刻な問題=労働力不足と、コロナ/ウクライナ危機と同時に進行している「バブル期」以来の大規模な産業構造変化、さらには国際的な地位低下(日本劣化)=については、戦後日本経済発展の「勘違い」問題とともに、今後出来る限り述べていきたく思います。

 

☆写真は昨日(26日)午後7時すこし前の夕焼け。今日の猛暑を予想させるような夕焼けでした。画像は昨日の読売新聞1面。

 

↓去年の今日のブログです。バルザックについて書いています。

 「ゴリオ爺さん」はウクライナの小麦で大儲けしました。そしてバルザック自身もウクライナの小麦で大儲けしたとか(バルザックは3年間滞在し「肥料を不要とする」ほど豊かなウクライナの大地に驚いたとか。バルザックの時代、クリミア半島をめぐってロシアとトルコの間で2回大きな戦争がありました。バルザックとウクライナの関係については、黒川祐次さんの「物語ウクライナの歴史」(中公新書)135~137ページを参照のこと。