朝日新聞インタビュー記事から知るウクライナ危機。やはり「今日のロシアは明日の日本」かな? | あと猫の寿命ほど。如露亦如電2024

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  2013年58歳の春に「うつ病」でダウン。治療に4年半。気づくと還暦を過ぎました。
  66歳になった2020年夏に「ああ、あと猫の寿命ぐらい生きるのか」と覚悟。世の中すべて如露亦如電です。

凝視 今朝は晴れましたが、午後から梅雨らしい空になりました。

 週末に読んだ新聞記事について、書き切れなかったことを書きます。

 朝日新聞6月4日(土)朝刊「オピニオン欄」のインタビュー記事「ロシアの中の声」でロシア文学翻訳者の奈倉有里さんの言葉。

 

無気力 ロシアの人々がプーチン政権に対して「高い支持率」を示していることについて、奈倉さんは「支持率の増大は、沈黙と恐怖の増大を示すものだと思います」と指摘します。

 そして、ウクライナ危機のなかで生まれている「反ロシア」の機運(日本もそうです)について、「無理解な状態に暴力性や攻撃性が加わると、ロシア語やロシア文化など『ロシア的』なものをひとくくりにした上での攻撃が生まれてしまうのも危険です」と危惧し、続けてインタビューに答えて「(プーチン大統領が行ってきたことは)戦争をしようとする国家が戦争の前に何をするかのお手本の山です。権力者の親しみやすさのアピール、我が国は侵略戦争をしたことがないという歴史観の教育、軍隊の賛美・・・・。その一つが平和・人権運動に対する冷笑的な世論作りであったことから学んだ方がいい」。

驚き 日本はいま、ウクライナ危機をも利用して軍拡へ動こうとしています。その今の日本の状況ってやはり、プーチンのもとで徐々に「物言えぬ国」となってきたロシアに似ているのではないかな? やはり「日本はロシア」「今のロシアは明日の日本」と思って身構えた方がいいかな。

 

予防 なお今日(6月7日)の朝日新聞朝刊の「オピニオン」欄には、この奈倉さんのインタビューとも関連するような二つのインタビュー記事が載っています。同志社大学准教授の立石洋子さんは、ロシアの第二次大戦における対独戦(大祖国戦争)に対するロシア人のイメージは「愛国心・国や国民の誇り」とともに「恐怖」「悲しみ、痛み、涙」「忘れられない歴史」「平和への願い」などがあるとし、(現在プーチン政権が推し進めている歴史認識について)「政権が推進する歴史認識を社会がどう受け止めるかは別問題」と語ります。

にっこり また北海道大学の青島陽子准教授は「ソ連」(民族差がないというイデオロギーの国)「ロシア」(ソ連を受け継いだためにアイデンティティー形成する他者がなく民族主義にも頼れない)「ウクライナ」(正当性あるアイデンティティーを創出しようと試みている)の関係性、国家民族意識のあり方に触れつつ、ウクライナが「オレンジ革命」以降おこなっている「(国民の)記憶の国家管理」の経過に触れ、「ウクライナがいなければ歴史が完成されない」ロシアと(今回のロシアの軍事侵攻)によって「侵攻がウクライナにとっては、反ロシアとしての国民創世神話となりました」と語ります。

 この二つのインタビュー記事を、名倉さんの記事と合わせ読むと、ロシア-ウクライナ問題について、日本の主流メディアの捉え方(独裁か民主主義かなどという)とは別の側面が見えてきます。

 

☆写真は今朝の青空、旧暦皐月九日の、まさに「五月晴れ」。画像は朝日新聞6月4日朝刊掲載の「ロシアの中の声」と6月5日読売新聞の自民党政権の構図についての記事。自民党は岸田内閣が打ち出して、すぐ立ち枯れた「新資本主義」がどうのこうのといおうとも、結局は安倍・麻生の「利権誘導」「ナチスの手法」「歴史修正主義」の「アベノビキ政治(ロシアの"シロビキ"に倣っての言葉です)」ままのようです。