ここからは、各登場人物について思ったことを書いていきます。ネタバレあり

なので注意です!!

※キリエくんの感想は一個前に書いたので、彼は除きます。



・ワク

犠牲者、といっても良いのかもしれない。ゲームだと信じて疑わずに、ジアースに乗ったので。明日があると信じて疑わなくて、今を精一杯生きるって決めてた明るい男の子。キラキラしてて前途洋々な男の子の命を最初に奪う、ってとこで「『ぼくらの』は容赦しませんよー」っていう意思表示をしたのかしら。


・コダマ

良くも悪くも中1らしいひねくれっぷり。それで身勝手に「選ばれた側/選ばれなかった側」って命を分類してジアースを駆られるのは迷惑千万なんですけど。でも言ってることはわからなくもない……。

覚悟を決めたあとの、「パイル打ちなら負けない!ウチは土建屋だっ!!」に彼の矜持を感じてしびれました。


・ダイチ

中1にしては人間ができすぎている。コダマの直後の戦闘だったから尚更そう思いました。「妹たちには行方不明ということにしておいてくれ」なんて優しいウソ…。最期まで良いお兄ちゃんだったのが本当に泣けます。彼に関しては粗を探すのがマジで難しい。


・ナカマ

お母さん、良い人ね。ナカマがまっすぐ(ちょっとかたすぎるところはあるけど)育ったところからそれはわかるのに、表面上しか見ない人間は駄目ですな。全員分の戦闘服を作る優しさよ…。「わたしだって死にたくない!」と激情をあらわにするシーンが印象的でした。そうだよね、「そう見えないように振る舞ってた」だけだよね。強いよ、ナカマ。


・カコ

ほんっっっっとうに普通の男の子。たぶん私もああなる。だから読者は彼を責められないと思うんです。でも「このままじゃ負ける…!!」ってときにチズが彼を殺したことで、ちょっとスカッとしたことは事実だ。すまねぇ。


・チズ

あまりに淡々と人を殺すので、「凄いなこの子…」と思わず呟いてしまいました。年不相応の業を背負っている。彼女が納得する形でけじめをつけられたなら、それは幸福なんだと思っても良いのかな。

「自分の子どもを殺すんだッ!!」と叫びながら攻撃する姿を見て、「そんなこと言わせないでくれ……」とそういう展開(設定?)にした鬼頭先生を恨みました。ショボーン


・モジ

彼はまだナギとして、ナギの一部として生きている。三人は三人のままで居られる。モジがそこまで見越してドナーになったわけではないことは確かだけど、だとしたらそれは奇跡に等しい副産物だったのではないでしょうか。「vermillionはモジの歌だと思う」という書き込みをネットで見つけて、ストンと腑に落ちました。


・マコ

漫画を読むまでずっと、男の子だと思ってたんだよなぁ。彼女は凄く愛情深くて明るくて、とにかく良い子。「ろくでなしの母親の血」を気にしているけど、育ての親がとにかく良い人たちだったのが救い。心待ちにしていた弟を抱けずに死んでしまったのが悲しい、悲しすぎる。


・コモ

死を目前にして、世界が美しいということに気がついた彼女。生活していく中で、少しずつノイズやゴミが溜まり、美しいと思えなくなっていくものなのかもしれない。人生は。でも何かきっかけがあれば、不要なものを一掃することができる。彼女にとってはそれが死だった。「もっと早く気づいていれば」なんて思いません。限られた時間の中で、彼女は充分幸せそうだったから。死に顔も、とてもとても安らかだったから……。


・アンコ

敵の攻撃で足が溶けても、あきらめずに戦闘を続けた彼女の覚悟。凄くかっこよかったです。アンコが国民に向けてのメッセージ内で「全体の奉仕者」という言葉を使ったとき、「ああ、アンコの中でナカマは生きてる」って嬉しくなりました。でも、あんな形で「世界で一番有名な女の子」になんてなりたくなかったよね…。アイドルになりたい、っていう仄かな夢があったとしても。


・カンジ

自他共に認めるマザコン。その実、お母さんは小1の頃に亡くなっていて(自殺)、その恋しさを、ポップでちょっと下卑た言葉で表現することで、自分を守っていたのかな、って。あと、周りに気を遣わせないようにしてたのかな。


・カナ

「痛いのは、かわいそう。」どんな思いで言ったんだろう。わからない。だけど、兄から虐待を受けているカナちゃんだからこその底知れぬ説得力は感じました。

「わたし、死んじゃうよぉ。」死への恐怖が爆発して、泣きながらウシロに抱き着いたシーンは、なんというか、やりきれません…。


・マチ

彼女は別の地球から来たということを除けば、至って普通の、世話好きの女の子。ウシロとプチ旅行をしていた何話分かは、心が平穏でいられました。戦闘が無かったからか…。カップル成立くるか!?と思っていたら、あんな終わり方なんてないよ……(絶望)


・ウシロ

最後のパイロット。今までの子達の戦闘と違い、ウシロの場合は「地球上の人間をひとりひとり殺す」羽目になってしまった。「自分たちが勝ったら、相手の地球が消える」のは同じ。だけど、“数”が“個”としてのしかかってくるわけです。重圧は今までの比じゃない。ホーム戦での魂の光は美しく思えたのに、アウェイ戦での、この戦いでのそれは残酷でした。これから死に逝く命。同じ人間……。

彼がそれに耐えきれず吐いてしまったとき、初めて彼に人間味を感じました。


ウシロ父は子供を2回亡くしていると思うと……orz



・コエムシ

こんなマスコットキャラみたいなのが、アニメのCV石田彰ってどういうことやねん、いくら口悪いとはいえさー、と思っていたら、ふつーに伏線だった。かー、やられたー!!チュートリアル役としてはココペリより優しいと思いました。はじめから誤魔化さずにありのままを全部教えてあげていたから。


・関さん、田中さん

重要な局面で迷いなく自分の命を差し出せる人間は強いと思います。「自分の死が全体の存続に繋がること」を瞬時に考えられるんでしょうか。

特に田中さん。最期に呟いたのは「ジュン」だったのかな。自分がここに居たらカナちゃんが敵にとどめを刺せない、そう考えて迷いなく殉職したの、カッコよすぎました。しかも微笑みながら…。



花花花スタースタースター


「これを読まずに人生を終えていたifがあると考えると怖い」

本気でそう思った漫画でした。本当にすごかった。

これ読んで泣かなくなる日、多分来ない。