「スポーツジムへ通っているのだが・・」
「ほう、なかなか積極的ではないか・・」
「いや、それがね、マラソン、ジョギングベルトに乗ると迷惑をかけているような
気配を感じるのだ」
「なぜ?」
「走らないからだ。基本走らない。歩くだけだ。しかも、早足で歩く。
これが結構な運動量なのだ」
「なぜ、迷惑?歩いている人は、他にもいるだろうに・・・」
「早足過ぎて、走っている人くらいのスピードで歩いているんだよ」
「競技出場の歩きは12km/hだろう?まさかそのスピードで歩いている
訳ではあるまい?もしそうなら、普通に走っている人より速い!」
「膝を痛めたくないから、走らんのだ。しかし、慣れとは恐ろしいもので、
結構スピードアップが可能なのだ」
「となると、横で走っている人は、何で私と同じスピードで歩いているの?となるな。
これは、動揺だ。衝撃でもある」
「東京マラソン競技に出るわけでもなく、健康維持に努めているわけだから、
暫くは勘弁してもらおうと思う」
「ベルトに乗るということは、競技に出るようなことでもあるのだから、
スポーツ心を掻き立ててよいのでは?」
「競い合うことがスポーツなのだよ・・」