テレ朝チャンネルが2チャンネルに分かれるだいぶ前の、いまから十年ほど前より放送していて、最近では近作ばかりとなっていたけど、初期の作品が放送されるのは久しぶり。


テレ朝チャンネル公式『終着駅殺人事件 上野~青森 ミステリー特急ゆうづる』

http://www.tv-asahi.co.jp/ch/contents/drama/0217/


テレ朝チャンネル公式『再婚旅行殺人事件 出雲で死んだ女』

http://www.tv-asahi.co.jp/ch/contents/drama/0218/


『終着駅殺人事件』は1981年10月17日に土曜ワイド劇場枠にて放送された作品。すでに同枠では三橋達也主演による西村京太郎原作もの(当時はまだトラベルミステリーという呼称はなかった)は二作放送されていたものの、それらは大映企画と大映京都撮影所による制作で、本作が現在も続く東映の制作によるものとなった。この東映版からは実質的な主役である亀井刑事にキンキンこと愛川欽也が出演。しかし、先日放送されたのを観たところ、緊張感とワクワク感を誘うおなじみのテーマ曲がまだ鳴っていなかったのは意外であった。それに、このシリーズのツッコミどころである、キンキンの息子・井川晃一も、山村紅葉も、何故か二枚目キャラの森本レオもまだ出ていないのだから、なんだかんだといっても寂しいかぎり。面白くなっていくのは、これからか。まっ、噂にあったキンキンの〝いきなり尻見せ!〟が拝見出来て、それはそれで貴重であった。


しかも、この迷場面、かなりの奇天烈さである。後輩の清水刑事(演じるは『仮面ライダーX』の速水亮)と事件が発生した出張先のビジネスホテルに同室で宿泊していて、キンキンが独りで部屋の風呂に入浴中に〝はた!〟と不可解な服毒自殺のトリック解明を閃く。それで普通ならば慌てて風呂から出てきたところを清水刑事に制止されて、「あ、いけね!」などとオチつけて、次の場面からはちゃんと服着た姿で説明していくはず。ところが、なにかに取り憑かれてしまったキンキンは、唖然とする清水刑事に目もくれず、ずぶ濡れのまま、思い付いたトリックを延々と説明し続けるのだ。キンキンはこのトリック解明場面では自ら犯人役に扮して、腰にタオル一丁という姿で部屋のドアを開けて立ち去ろうともする熱演ぶり観ているこっちは、キンキンの濡れた&だらしない体型の裸ばかりにどうしても目が行ってしまって、せっかくのトリック解明がぜんぜん頭に入らない(笑)。これがミステリードラマの女王である片平なぎさとか浅野ゆう子あたりだったら売りにもなるのだろうが、まったくもって誰得!?なのである。


他にもこの頃から妙齢の役者に学生服着させて回想シーンをやらせる、2サスならではのお約束があったりして、どうにも珍妙な場面ばかりが印象に残ってしまった。


なお、この1作目は今月26日にリピートするので見逃してしまった方はどうぞチェックを。そして28日に放送する『再婚旅行殺人事件』が2作目となる。ということは、テレ朝ch2ではこれから月二本の割合で順次放送していくのであろうか?、希望を持って見守りたい。