フジテレビ系金曜夜8時(正確な開始時刻は7時57分~)の連続ドラマ枠では、本日1月24日から『天誅 闇の仕置人』なる作品が始まる。


フジテレビ公式 『天誅 闇の仕置人』

http://www.fujitv.co.jp/tenchu/index.html


昨年秋の改編期から設置されたこの金曜ドラマ枠、第一弾だったホームドラマの『家族の裏事情』は財前直見と沢村一樹といったビッグネームを主演に起用したにもかかわらず、平均視聴率4%台の超低視聴率にあえいだ。だから、少々路線転換したのか、第二弾である本作『天誅 闇の仕置人』は、前作に引き続いて家族の絆みたいなのを一応テーマに入れつつも、タイトルから想像出来るように、必殺シリーズやハングマンを想起させるアクションサスペンスだ。


あらすじは、戦国時代の女忍者が現代の世に不意にタイムスリップしてきたところを義憤ある人に助けられたことから、その能力を見込まれて、警察が介入出来ない不正なことしてはびこっている悪人どもを闇のなかで叩きのめす、というVシネマみたいな安い話。第1話は近所で嫁にDVしている旦那を忍術使ってこらしめる話だそうだ。なかなかショボいな(笑)。


とにかく、女忍者の主演女優・小野ゆり子は、だれ?って感じだし、なぜに泉ピン子なのかもわからない。この二人を中心としての助演で京本政樹と柳沢慎吾の仲良しコンビが出るのだが、他局の食べ歩き番組のノリを安易に持ってきてたりする、ほとんど破れかぶれな取り組みが伺い知れる。


さて、今回のブログの本題はそのことじゃない。


〝何度目の焼き直しなんだ!〟とケチを付けられそうな必殺シリーズやハングマン展開の悪人退治に到る前の、「戦国時代からヒロインがタイムスリップしてきたところを現代の人に助けられて、その人たちと共存しながらそれぞれの目的を果たす」というプロットは、妙齢の女忍者ではなく、十代の姫君様と違いこそがあるが、1997年10月から11月まで日本テレビの深夜ドラマ枠 shin-Dで放送された連続ドラマ『姫はセーラー服がお好き』そのもの。


allcinemaによる『姫はセーラー服がお好き』紹介

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=87621


主演の雪姫役は青春学園ドラマ『白線流し』(フジテレビ 1996年)で注目を浴びて、代表作『ショムニ』シリーズ(フジテレビ 1998年~)に出る直前の京野ことみ。その相手役で、雪姫がいた戦国時代では同年代の家来、雪姫がタイムスリップしてきた現代でも家来扱いされる気弱な同級生役に、野島伸司脚本のイジメ問題を提起したドラマ『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS 1994年)で演じたようなナヨナヨした役が当たり役だった黒田勇樹が演じている。


1997年といえば、コギャルに代表される女子高生文化が華やかりし頃。それを狙ったドラマで、十代の雪姫はタイムスリップしてきた現代では、同年代の娘と同様に時代の象徴・ルーズソックスを履き、当時の流行で膝上かなり短いスカート丈にしたセーラー服を身にまとう女子高生となって生きる。しかし、そこはやはり戦国時代の姫君らしく、だらだらしたコギャルとは真っ向反対な、清楚で凛とした佇まいと毅然とした性格で、オトコとしての見込みはあるんだが、いかんせん気弱な性格が玉にキズの黒田勇樹を従えて、行き過ぎたコギャル文化に疑問を呈したり、本来の目的である御家再興のために奮闘するストーリー展開だった。


女子高生の服装の変化を同時に並べて比較した画像が話題

http://www.danshihack.com/2013/12/18/junp/twitter_jk_seihuku_history.html

図全体で左端から三番目の「ケータイ刑事」シリーズの制服のような娘が2000年代あたり

その右横のガングロとかさらに一つ前のスカート短い時期が『姫はセーラー服がお好き』の1990年代後半



荒唐無稽な設定の青春コメディドラマともあって、1980年代のフジテレビ「月曜ドラマランド」の時代からそういうの大好物だった自分はこのドラマ面白く感じて観ていた。しかし、もう一度観たいとは願っても、CSでも未だ再放送はされず、ソフト化もされていない、忘れられた作品となっている。ただ、1997年の作品ということで、テレビ番組がインターネットでも告知をしだした頃だけに、制作元の東映による公式ページがあって、各話ごとのあらすじや制作日誌が載っていて、ついこの間まで閲覧出来たのだが、残念ながらいまは閉じてしまった模様である。うーん、ますます忘れられていく。


だから、日テレプラスにリクエストしたい、『姫はセーラー服がお好き』を!