昨日は日本映画専門チャンネルで放送していた映画『台風クラブ』を観る。「日本映画レトロスペクティブ」という番組企画で、本編の他にも、出演していた三浦友和をスタジオにゲストに迎えて、番組ナビゲーターのフジテレビ笠井アナがインタビューしていた。
番組HP 日本映画専門チャンネル「日本映画レトロスペクティブ」
http://www.nihon-eiga.com/1110/1110_4.html
私見としては、昔から何度か機会があれば観ていたものの、『台風クラブ』の良さが未だにわからない。演出させたいことはわかるけど、それが面白さと感じ取れないのだ。ただ、「三浦友和、よくこういう役やったなあ」とだけは思っていた。
『台風クラブ』の三浦友和については、以前の記事で触れたことがある。
1985年4月13日その日、「スーパーポリス」放送開始
http://ameblo.jp/goro-chayamachi/entry-10922861838.html
番組のインタビューでも語られていたが、当時の三浦友和はジレンマを抱えていた。三浦に求められるのは70年代から“清く正しく”というキャラクター像で、年齢的にもあまり変わらない、ほぼ同世代の松田優作らのアウトロー的なキャラクター像は求められていなかったし、本人もそういったものに憧れ持ちつつ、自らは動かなかった。それが『台風クラブ』の相米慎二監督と出会ったことで邂逅していく。
松雪泰子がどの時代でも現代的なメイクとファッションの未来人だった、時代考証のヘッタクレもない映画『沈まぬ太陽』(2009年公開)では、渡辺謙が演ずる主役・恩地元と対峙していく行天四郎役を演じている。同じ志持っていたはずだったのに、清廉潔白なゆえに矜持を通して不遇の扱い受けていく恩地と決別して、「自分さえ良ければ・・・」と悪の道にずぶずぶと入っていく行天のキャラクター演じきったのは見事であったし、主役の渡辺謙を完全に喰っていた。
その原点が『台風クラブ』であったと以前から思っていたし、番組のインタビューでもそういったキャラクターの原点が作られたのが『台風クラブ』だと認めている。他にも「多分、こうだったんだろうな」と思っていたことが、ある程度その通りだったのが個人的には嬉しかった。あと、以前に比べていくらかスリムにもなってたし(笑)。